ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。今日のこの時間は竹飯についてお話しましょうか?
ホアイ はい。いいです。ベトナムで、竹飯は主に森林が多い山岳地帯の住民にとって馴染み深い料理ですね。
アン そうですね。竹飯は竹の筒にお米を入れて作るものですが、昔、北部山岳地帯にあるバクカン( Bac Can) 省チョモイ( Cho Moi) 県のホアムク( Hoa Muc) 村に住むティ族の人々は祭りや正月などに竹飯を作りましたが、現在、この村の住民は村にやってくる観光客や人々に販売するため、竹飯をも作っています。これは地元の多くの住民が竹飯の販売を通じて、生計を立てています。
現場の音
ホアイ 国道1号線上のバクカン省を通す部分の両脇には藁葺きの家が見えます。これは地元の住民が竹飯を作ったり、販売したりする所です。
現場の音
アン 車が止まると、この店の店員ホアン・ティ・シンさんが笑顔でお客さんを招きながら、竹飯をナイロン袋に入れます。一日中、忙しいですが、いつも微笑を忘れません。
(テープ)
「20年にわたり、竹飯を売っています。一年中売っていますよ。前は自宅で竹飯を作っていましたが、今はここで作ります。お客さんの大部分は常連客です。お客さは贈り物としてこの竹飯を買います」
アン このように語ったシンさんによりますと、昔、結婚したころ、竹飯を売るために竹飯を作っていた夫の姉がいました。シンさんはそれで覚えて、竹飯を作って、売るようになったのですね。
ホアイ 昔は一日に数十本しか売りませんでした。ですから、余り儲かりませんでしたが、今、販売本数が多くなりましたから、道の脇に店を作りました。
アン シンさんの話です。
(テープ)
「一日、平均してもち米10キロから20キロぐらい炊きました。でも、行事の時などは、30キロをも炊き、およそ300本の竹飯を作りました。竹の大きさによって違いますが、値段は5千ドンから1万5千ドンほどです。」
アン このような数量の竹飯を作るためには、シンさん一人ではできません。そこで、シンさんは親族の幾人かの女性と共に、竹飯を作りました。毎年、一人当たりの収入はおよそ5百万ドン、約2万円になり、安定した収入になっていますね。
ホアイ そうですね。では、このへんで、ティータイムにして、歌をお楽しみいただきましょう。Bai hat
アン 話を続けましょうか。竹飯の経営で安定した収入を得るのはそう簡単ではありませんね。
ホアイ そうですね。ですから、竹飯を作るのは材料も大いにかかります。竹飯を作るためのもち米は収穫したばかりのもので、透明度が高い米を使うのが大事です。
アン さきほどのシンさんは次のように語りました。
(テープ)
「前は季節によって竹飯を作りましたが、いまは一年中作っています。最も難しいのは竹筒を買うことです。年初にはたくさんありますが、2月,3月になると少なくなります。お金があっても買えない時もあります。そのため、私たちはこの材料を常に準備しておかなければなりません」
アン シンさんどうもありがとうございました。もち米や竹筒を選ぶことは重要ですが、火にかける技術も軽視できませんね。
ホアイ そうですね。竹自体は燃えやすいので、火の管理や竹が燃えないように、注意しなければなりません。シンさんの弟のホアン・フアンさんは次のように語っています。
(テープ)
「竹飯を作る時、火にあぶりますが、一回に、20本やります。普通、一回は30分間かかります。でも、誰もが火にかけられるわけではありません。独自の技が必要です。ちゃんと見張っていないとすぐに黒焦げになってしまいます」
ホアイ 炊き上がったお米はほんのり塩味が効いていて、ほんのりと青竹の香りが残り、食欲をそそりますね。道脇に、竹飯を買うホーチミン市からの観光客ダイズオンさんは次のように語りました。
(テープ)
「以前に竹飯を食べたことがありますが、竹飯の作り方を見るのは今回が初めてです。竹飯が美味しいのはもちろんですが、その作り方を見るとその美味しさがより増します。これはバクカン省の素晴らしい特産品です」
ホアイ ズオンさん ありがとうございます。竹飯を食べる時、すりたてのごまと砕きピーナッツを混ぜた塩を付けて食べるのが最高ですね。これらはみなシンさん自身が作るそうです。
アン そうですか。シンさんを始め、この村の住民にとって、竹飯を作り、販売するのは生計を立てることだけでなく、これを通じて、故郷の特産品を他の地方の人々に紹介するわけですね。
ホアイ そうですね。では。おしまいに、歌をお聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
アン でした。リスナーのみなさん。今日のこの時間はベトナムのバクカン省の特産品竹飯についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。Chao cac ban