ハットサムに対するタオザンさんの熱意

ハノイ便りの時間がやってまいりました。

ゴック ご機嫌いかがですか皆さん。ゴックです。

アン こんにちは。アンです。ハノイ中心地のドンスアン市場では毎週日曜日の夜、ベトナムの伝統的民謡「ハットサム」(Hat xam)が披露されていますが、これを行うのは芸人タオザン ( Thao Giang) 氏によるものですね。

ゴック そうですね。今日のこの時間はハットサムに対するタオザンさんの熱意についてお話しましょうか、

アン はい。いいですね。

現場の音

お聴きいただいたのはタオザンさんがドンスアン市場の野外ステージでよく歌う「路面電車のハットサム」でした。

ハットサムに対するタオザンさんの熱意 - ảnh 1

ゴック 今年まもなく70歳になりますが、ザンさんの声がまだまだお元気ですね。

アン そうですね。ザンさんの話によりますと、小さい時、彼は路面電車で学校に通っていました。これをきっかけに、当時、この電車内で歌われたハットサムが気に入るようになったようですね。

ゴック その後、ザンさんはベトナム音楽学院の前身であるハノイ音楽学院に入学しました。卒業後、ザンさんは同学院の講師として活躍してきました。ザンさんにとって、ベトナムの民間芸能に深い魅力を感じています。ザンさんの話です。

(テープ)

「私はベトナムの民間芸能なら何でも好きです。多分、ちょっと貪欲(どんよく)な人間かもしれません。私はベトナムの伝統的歌唱ハットバンやカーチュー、北部バクニン省の民謡クアンホなどどれも大好きです。多分、これは生まれつきのものでしょう。でも、私にとってハットサムの保存は国に対する私の責任だと思います」

ゴック タオザンさんの話でした。では、この辺でちょっとティタイムにして歌をお聴きいただきましょう。

話を続けましょう。近代生活の中でハットサムが消滅する恐れに追い込まれる前の1980年代、タオザンさんはハットサムの保存、存続のために、ハットサムの収集に着手しました。歌い手がほとんど歳を取っており、亡くなっていたので簡単ではありませんでした。タオザンさんは次のように語りました。

(テープ)

「昔はラジカセがないので、ハットサムの収集をしていた時、そのハットサムのメロディーを暗記しなければなりませんでした。どんなメロディーも気に入りました。ハットサムを学びながらなるほど、この芸術に関して学ぶべきものがたくさんあることを感じていました」

ゴック タオザンさんの話でした。ハットサムの復活を目指す努力の一環として、2005年、タオザンさんは「人民の教師」という称号が与えられたファム・ミン・カン( Pham Minh Khang) 教授と協力して「ベトナム音楽文化芸術センター」を設立しました。

アン このセンターの運営の目的は民間芸能の収集、研究、教育養成、及び、演奏ということです。このセンターはハットサム復活に大きな貢献を果たしてきました。現在、タオザンさんはこのセンターの副センター長として活躍しています。

現場の音

ゴック これはタオザンさんが学生に教えている光景です。このセンターで開かれているハットサムー教室を通じて、多くのハットサムの若い歌い手が養成されるようになりました。これらの教室の学生の一人であるブ・ドゥク・フィ( Vu Duc Huy) さんは次のように語りました。

(テープ)

「私は民間音楽に対する先生の熱心さと献身的な姿勢に感服しています。生涯を民間音楽の発展に貢献しており、まもなく70歳になるのに休もうことはしません。ここで学習する時は、他の講師がきて教えますが、タオザン先生はいつも来て、私たちを熱心に指導しています」

現場の音

ゴック フィさんどうもありがとうございました。芸人タオザンさんにとって、ハットサムは単に芸術の一つのジャンルだけでなく、ハノイをはじめ、ベトナムの文化の真髄を示しています。タオザンさんの話です。

(テープ)

「何をするにも全力を尽くさなければなりません。ハットサムの研究と演奏を行っている時も同じです。全力を尽くさないとよい成果は生まれないでしょう」

ゴック タオザンさんの話でした。長年にわたり、タオザンさんと連携して芸術活動に携わっている作曲家グェン・クアン・ビン( Nguyen Quang Vinh)さんは次のように語りました。

(テープ)

「芸人タオザンは才能がある人です。タオザンさんは多くの音楽を作曲するほか、様々な民族楽器を奏でることができます。また、タオザンさんはベトナムの民族音楽の保存と普及に心血を注いでいます。」

ゴック 作曲家クアンビンさんの話でした。ハットサムをはじめ、民族音楽に対するタオザンさんの熱心さは限りないようです。今、タオザンさんは民族音楽の保存に日夜を問わず頑張っています。

アン そうですね。現在、タオザンさんは若者たちが民族音楽の保存に関心を寄せるように、同僚と協力して、「遺産に認定された音楽を保存するクラブ」を結成する計画がありますね。

ゴック そうですね。では、ここで歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

。。。。。でした。リスナーのみなさん。今日のこの時間はハットサムに対するタオザンさんの心についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。           

Chao cac ban。

 

ご感想

他の情報