山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。ベトナムでは子供たちが長い夏休みに入りました。
山崎 ちょうどこの前のおしゃべりタイムでその話をしましたね。3か月もあるんですよね。
ソン そうなんです。ベトナムの学校年度は、9月から翌年の5月までなので、6月から8月いっぱい休みになります。
山崎 1年で1番暑い時期だからというのもありますか?
ソン そうですね。この長い夏休み以外では旧正月のテトぐらいしか、子供たちの長期の休みはないです。
山崎 日本のように、冬休みや春休みはないんですよね。正直、子供が長期休みだと、親は大変です(苦笑)。
ソン わかります。ベトナムは共働きの家庭が多いので、毎年どうしようかと思ってます。
山崎 アンさんにも前に同じようなことを聞きました(笑)。休みが長いだけに、ただ遊ぶだけでなくて、充実した日を過ごしてほしいと思いますよね。
ソン そうなんです。だから今の時期は、夏休みの子供たちを対象としたイベントや習い事も多くなっているんですよ。今日のハノイ便りは、ベトナムの子供たちの夏休みについてお伝えします。
水泳教室
山崎 ソンさんの上のお子さん、小学校1年生の女の子ですよね。どんな夏休みですか?
ソン はい。1年生が終わったところなんですが、休み前にいろいろ考えていました。
山崎 何か習い事ですか?
ソン そうです。まずは、水泳教室に通わせています。泳ぎは誰にとっても必要なことだと思いますし、体の成長にいいと考えたんです。
山崎 そうですね。うちも夏休みに一時帰国すると、必ずスイミングに通わせています。
ソン それから、絵画教室にも行かせています。うちの子は絵を描くのが好きで、将来、画家になりたいとよく言っているんです。
山崎 うちも同じ事を言っていた時がありました。似てますね。やはり、夏休み中の子供向けの教室が多くなっているんですね。
ソン そうですね。学年が終わる5月に入ると、子供の習い事の広告が多くなってきます。一般的な広告のほかに、フェイスブックなどでのお知らせも最近流行ってますね。学校でもビラが配られたり、家にもチラシが入ってきます。
山崎 ソンさんのお子さんは、水泳と絵を習っているということですけど、他にはどんな教室が多いですか?
ソン 武術やダンスレッスン、それから、最近はパフォーマンス教室が親に人気があります。
山崎 パフォーマンス教室。何でしょう?
ソン 歌や踊り、スピーチの仕方などを学んで、他の人の前でパフォーマンスができるようにするレッスンです。そこでは、スキル、技術よりも自信を持たせることを目的としています。人前でパフォーマンスできる自信を子供に持たせて、どんなことがあっても自分を信じてチャレンジすることを目指します。
山崎 自信は大事ですね。子供の成長に必要なことです。
ソン そうですね。芸術センターのパフォーマンス教室に通っている12歳の女の子(カイン・バン)の話です。
(テープ)
「先生はいろいろ教えてくれます。ダンスもたくさん踊れるようになりました。他の人の前で自信を持ってできるようになりました。将来はダンサーになりたいです。」
ソン 習い事教室のほかに、子供向けのイベントも頻繁に行われています。先月28日と29日には、ハノイ市内のベトナム民族学博物館で、「東南アジアの伝統的遊び」というイベントが開かれました。多くの子供たちが楽しんだようです。
山崎 今の子供たちにとって、伝統的な遊びは逆に目新しいでしょうね。具体的にはどんな遊びがありますか?
ソン はい。綱引きやそれから日本語では何て言うかわからないんですが、ガラス玉をはじいて別のガラス玉に当てるゲームがあります。
山崎 おはじきですね。すごい、ベトナムにもおはじきがあったんですね。
ソン あと、地面に丸を書いて、それを片足で跳んでいくものとか。
山崎 あ、日本ではケンケンパといいますね。同じものが結構ありますね。話しているとすごく懐かしくなります。
ソン そうですね。こういう伝統的な遊びは、親からすると、テレビゲームで遊んでいるより、ずっといいと思います。
山崎 ほんとですね。体を動かしたり、ほかの子と仲良くなれたり、いいことがたくさんありますね。
ソン はい。そのイベントでは、東南アジアの伝統的な遊びをそれぞれの国のボランティアの人たちに紹介してもらったりと、子供の国際感覚を育てるのにもプラスになったようです。
3つのチームで綱を引くタイの綱引き
山崎 イベントに参加した13歳の男子(トン・ズイ)の話です。
(テープ)
「綱引きは普段、2つのチームで綱を引くけれど、今日はタイの綱引きをしました。3つのチームで同時に綱を引きました。初めてやったけど、楽しかったです。」
山崎 それから、今月初めに、お絵かきの催し物がハノイで行われたんですよね?
ソン はい。「子供が描く」というイベントだったんですが、評判がよかったようです。
山崎 子供たちがその場で絵を描くものですか?
ソン そうです。5歳から12歳の子供が対象だったんですが、テーマや絵の道具などは全く自由でした。子供たちがそこで絵を描いて、その絵を展示するというものです。
山崎 テーマは自由ということですけど、何の絵が多かったんでしょう?
ソン 自分の家族や公園、猫、犬、花、祭り、通りなど、子供の身近なものが多かったようです。
「子供が描く」イベントで絵を夢中に描いている子供たち
山崎 参加者の12歳の男の子(ドク・ズイ)の話です。
(テープ)
「僕は絵を描くのが大好きです。夏休みなので、お母さんがここに連れてきてくれました。自分のクレヨンを持ってきて、自分の家族と学校を描きました。面白くて楽しいです。」
山崎 イベント組織委員会の画家(グエン・ホン・フォン)は、参加者全員の絵が子供の目から見た風景を的確にとらえて、見る人に癒しを与えていたと話します。
(テープ)
「このイベントは、子供たちにいい思い出を残してもらいたくて計画しました。純粋な気持ちや考えで描かれた絵は、本当に可愛くて素朴です。将来、今回の参加者の中から有名な画家が出るかもしれません。このような催しは、子どもたちに必要だと思います。」
山崎 ソンさんのお子さんも、このイベントに参加したんですか?
ソン 残念ながら、用事があって行けませんでした。
山崎 次の機会があるといいですね。この「子供が描く」は、親の間で評判がよかったということです。子供をイベントに連れてきた男性(ラム・ソン)の話です。
(テープ)
「うちの子はセンスがあって、きれいな絵を描くんです。子供の興味のあることをやらせたくて連れてきたんですが、この催しのために、紙やクレヨンなど子供が自分でいろいろ用意して、当日を待っていました。描いた絵が展示されれば、うれしいに違いありません。」
山崎 まだ始まったばかりのベトナムの子供たちの夏休み。これから、イベントも増えていくんでしょうね。
ソン そうですね。夏休みが始まってからでも、また計画を立てたいと思います。
山崎 私もインターネットで、いろいろな夏の短期教室を調べているところです。親もがんばらないとですね(笑)。では、おしまいに一曲お送りしましょう。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、ベトナムの子どもたちの夏休みについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。