ハノイ便り
ハノイ便りの時間がやってまいりました
音楽
フン お元気ですか?皆さん、フンです。
ホアイ 今日は、ホアイです。フンさん、今日のこの時間はベトナムの陶器にまつわるあれこれついてご紹介しましょうか?
フン それはいいですね。中国の景徳鎮などの有名な窯場で作られた陶磁器と比べると、ベトナムの陶器は素朴で手作りの温かさがあるような気がします。ベトナムが安南と呼ばれた秀時代にさかんに輸入した茶器も、その素朴さが茶人の目にとまったのかも知れませんね。
ホアイ そうですね。アジアの他の国と同様に、ベトナムの陶器の歴史も土を火で焼き上げただけの古代の素焼きにはじまります。約1万年前の新石器時代に作られた土器が、遺跡から出土していますから。また、土器に模様などに入り始めたのは紀元前2千年くらいからの青銅器時代です。
フン 単純な素焼きから表面につやを持たせる釉薬を使用した陶器に進化するのが紀元前1世紀以降で、中国の支配が始まったころですね。このころになると中国からたくさんの技術が入ってきたようです。
ホアイ ベトナムが中国から独立した10世紀ころになるとは、青磁の焼き物が盛んでした。14世紀ころになると、細工も複雑になり、大きい器なども出現してきますね。
フン そうですね。今では 有名なハノイ市のバッチャン村で陶器が盛んに作られるようになるのは15世紀ころの話です。バッチャンはもともとタインホア省に住んでいた職人が移住してきたのが 始まりで、李朝時代から陶器をつくり始め、15世紀に入って栄えたそうですよ。そのころ染付けと言う技法が盛んに作られるようになり、赤や緑の線でデザインされた赤絵と呼ばれるものが海外へたくさん輸出されました。
ホアイ このころのベトナムの代表的な窯場はバッチャン窯、バクニン省のトーハ窯、フーラン窯、ナムサック窯などがあげられます。また、ベトナム中部にはもともとチャン パ王国の窯場があり、ベトナムの南進と共に衰退していった歴史があるのですが、資料がなくて、解明されていません。グエン王朝時代の 都フエにも窯場があったはずですが、これも詳しい資料が残されていないので、よくわからない状態です。
フン ベトナムには、もともとすばらしい陶器の歴史と文化があったわけですが、長い間戦争の風にさらされていたため、たくさんの大切な物が失われてしまいました。研究を進めることで、できる限り失われたものを取り返してゆくように、頑張ってほしいと思います。
ホアイ そうですね。ではここで、ティータイムにして、歌をお聴きいただきましょう。
音楽
ホアイ では、話を続けましょうか。フンさん
フン ハイ。ベトナムでは有名な陶器生産村が沢山ありますが、その一つにハイズォン省ナムサク県の陶器生産村チューダウです。
ホアイ この村の陶器も日本人をはじめ外国人に人気がありますね。ツーダウ陶器の最盛期は14世紀でしたが、17世紀には衰退してしまい、沢山の素晴らしい陶器作品が失われてしまいました。
フン そうです。ツーダウ村の人々は同じ村に住みながらも、この伝統職業を十分に理解することが出来ませんでした。でも、その後、研究者や専門家の発見のおかげで、村人は自らのご先祖の輝かしい過去が理解出来ました。
ホアイ チューダウ村に住んでいるグェン・ミン・トゥさんは次のように語っています。「テープ」
「そこに住んで、何十年も経っていますが、私の家に、昔から陶器の窯があったことを全然しりませんでした。庭には陶器の欠片が沢山残っています。その後、ハイズォン博物館の幹部は私の庭で採掘を行いました。その分析結果によると、欠片は数百年前に作られた陶器の一部で、貴重なものであることがわかりました」
ホァイ チューダウ村の陶器の価値についての住民たちの認識向上と共に、外国人多くの考古学者はチューダウ陶器の研究活動を行いました。その結果、14世紀からこれまで、多くの国々に輸出されており、その上、トルコや日本、フィリピンを含めた世界各国の46の博物館で展示されているそうです。
フン それはチューダウ陶器の価値の表れですね。チューダウ陶器はシンプルな模様ですが、住民たちの穏やかな生活や故郷の美しさを刻んでいます。
ホアイ そうですね。現在、ハイズォン省はこの陶器村を発展させ、観光と結び付けています。HAPROハノイ美術手工芸品生産と輸出入サービス会社のグェン・バン・リュ社長は次のように語りました
「テープ」
「ハイズォン省ナムサック県のツーダウ陶器村は国際的に高く評価されていますから、私達は祖先の伝統職業に力を入れる必要があると考えました。これは有名な陶器の商号を維持、発展させると共に、地元の労働者に雇用を創出する良い機会ともなります」
ホアイ リュさんの話しを通じて、伝統職業村は発達するでしょうね。北部のツーダウ陶器村と共に、南部ニントゥァン省のチャム民族の伝統的陶芸 バウチュック陶器も国内外で知られていますね。
フ そうですね。その昔、この村にある小さな池の周りにその場所からとった土を使って陶器を焼いたものです
ホアイ バウチュック村では陶器をロクロや型を使わず、手びねりで作り上げる製法でやっています。そして、釉薬をかけずに野焼きで素焼きにするそうです。伝統的な甕や土鍋など生活の中で使う陶器が生産されていました。
フン そうですか。ベトナムの芸術家たちはこれに目をつけ、数人の芸実家がこの村の住人と提携して新しいデザインの製品を作り出したり、陶器にデコレーションをほどこして近年、ホーチミン市をはじめとする都市部でも購入できるようになっていますね
ホアイ そうですね。日本の皆さん、誰が陶器ものを愛しますと、ベトナムを旅にしてくださいね。
ではおしまい、「。。。」の歌一曲を送りして、今日のハノイ便りを終わりにしましょう・
ホ リスナーの皆さん、今日のこの時間はベトナムの陶器ものについてご紹介しました。それでは、今日のこの時間はこれで終わります。又、来週お会いしましょう。ご機嫌よう