ベトナムのVポップとは

(VOVWORLD) - ベトナムの伝統音楽にKポップの音楽をミックスした新しすぎる音楽が生み出しました。

ホアイ こんにちは、ホアイです。

ソン こんにちは、ソンです。去年の10月、ベトナム音楽の歴史についてお伝えし、その1週間後、ベトナム革命音楽についてご紹介しました。

ホアイ 戦争が長引いたベトナムでは、革命音楽は音楽の中で最も重要な種類の一つですが、近年、若者が好きなポピュラー音楽が流行っているようですね。

ソン そうですね。その音楽はニャックチェー(Nhac tre)と呼ばれていて、若者音楽を意味します。

ホアイ Vポップとも呼ばれていますね。

ソン そうですね。日本のポップはJポップ、韓国だとKポップ、ベトナムはベトナムという言葉の頭文字Vを使ってVポップなんです。今日のハノイ便りはそのVポップについてお伝えします。

ベトナムのVポップとは - ảnh 1 Vポップの有名な若手シンガー ソン・トゥンさん(写真:baogiaothong.vn)

ホアイ はい。1986年のドイモイ刷新政策の影響で、外国の音楽がベトナムに入り始まりました。特に、90年代の初めには、欧米のポピュラー音楽が一気に入ってきました。ベトナムの作曲家たちもポピュラー音楽を作ったり、若い歌手もたくさん出てきました。

ソン ベトナムのポップス市場が形成されたのは1995年以降のことですが、それは現在のVポップ(ニャックチェー)のスタートですね。

ホアイ そうですね。当初は欧米のポピュラー音楽の影響で、ニャックチェーはバラードが多かったです。現在も、音楽のジャンルとしてはバラードが人気で、映像広告でもバラード系の楽曲を使用した広告が多くみられます。情緒的なストーリーが人気を集める国だけに、音楽でも歌詞をしっとりと聴かせる楽曲が人々の心をとらえるのでしょうね。

ソン そうでしょうね。しかし、近年、韓国のKポップの影響で、ベトナムのニャックチェーが大きく変わっているようです。ホアイさんわかりますか?

ホアイ ポップスの世界でも、韓国はベトナムで着々その足を固めています。Kポップブームが起きている感じですね。韓国のスターがベトナムでコンサートを開いたりしています。Kポップアーティストは、ベトナムの若い歌手のお手本のようになっています。ファッションやスタイル、ダンス、歌い方などをまねていると言われています。

ソン それに比べると、Jポップはまだまだなんですね。

ホアイ そうですね。Jポップが好きなのは、日本語を学んでいる人や日本文化に興味を持っている人に限られています。最近は、インターネットからAKB48などが知られていますが、Kポップとは比べ物になりません。

ソン Kポップの影響を受けたためか、ベトナムのニャックチェーは2010年ごろから、Vポップと呼ばれるようになりましたね。それにしても、VポップはKポップを完全にまねているわけではないと思います。ベトナムの伝統音楽にKポップの音楽をミックスした新しすぎる音楽が生み出したという意見があります。

ホアイ その新しい音楽が流行っている中で、最も成功している歌手はソン・トゥンさんですね。23歳の彼は天才実力派シンガー、絶大な人気を集めているんです。ソン・トゥンさんは甘い歌声が特徴です。顔も整っていて人気が出る理由がわかりますね。

ソン そうですね。彼は恋愛ソングを多く歌っていて、この甘い歌声でベトナムの若者がうっとりしているようですよ。

ホアイ 彼の曲はすべて大ヒットしています。ではここで、ソン・トゥンさんの大ヒットの一つである「ボタンを押して夢を放そう」をお送りしましょう。お母さんへの感謝を歌った代表曲で、ベトナムの伝統音楽にラップを合わせた美しいテイストだと評されています。どうぞお聞きください。

(歌)

ソン ソン・トゥンさんのような歌手の歌は若者の大きな人気を集めていますね。

ホアイ そうですね。例えば、先にお送りした「ボタンを押して夢を放そう」という歌をユーチューブで聴いた人数は約3500万人に上っていますが、6000万人にも聴かれてるという歌もあります。ソン・トゥンさんのファンの一人の話です。

(テープ)

「私は毎日聴いていますよ。暇がある日は、2、3回ぐらい聴いていますが、忙しい日でも少なくとも1回聴かないと、我慢できないんです。」

ベトナムのVポップとは - ảnh 2 「365Daband」というバンド(写真:24h.com.vn)

ホアイ しかし、現在のVポップは芸術性が不足していて、歌詞がよくない歌が多いという批判もあります。ジャーナリストグエン・マイン・ハーさんは次のように話しています。

(テープ)

「幾人かの作曲家は工夫を凝らさず、どこかの作品をマネて歌を簡単に作りました。そして、その歌詞はスラングを使う歌もあります。芸術の面でみると、それは本当によくない歌ですね。」

ホアイ 一方、多くの人に人気があることから、その価値もあるという意見もあります。作曲家ファム・トアン・タンさんは次のように話しています。

(テープ)

「芸術面であまり価値が高くないにもかかわらず、捨てるしかないという批判はちょっときつすぎると思います。多くの若者に愛されて毎日聴いてもらっていることから、エンターテインメントの面でその価値があると思います。」

ホアイ そうですね。Vポップは多くの批判を受けながら、ますます発展しているのは事実ですね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。2016年に解散してしまった「365Daband」というバンドの大ヒット「Bong bong bang bang」です。この歌はベトナムの代表的な昔話を内容としたものですが、ポップを巧みに使用することによって、古い話に新風を吹き込んだと評されています。

ソン 2017年12月25日現在、ユーチューブでのこの歌のビデオの視聴者数は3憶人を超えています。これはベトナム音楽の記録ですね。では、「365Daband」というバンドの大ヒット曲「Bong bong bang bang」をどうぞ。

(曲)

「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムのVポップについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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