ベトナムの少数民族であるタイ(Thai)族の民族舞踊「ソエタイ(Xoe Thai)」が15日、フランスのパリで開かれたユネスコ=国連教育科学文化機関の第16回政府間委員会で無形文化遺産として認定されました。
ユネスコは「ソエタイはタイ族の世界観や宇宙観を反映しており、旧正月テトや祭り、慶事などの機会に演じられる。また、年齢や性別、社会的な地位、職業、民族などの区別なく、全ての人に開かれている」と評価しました。ソエタイはタイ族の人々の労働の中から生まれ、西北部で暮らす各少数民族をつなぐものになっていました。
ソエタイがユネスコにより無形文化遺産として認定されたベトナムの14番目の無形文化遺産となってきました。この認定はベトナムの文化価値に対するユネスコの好評を示すと共に、文化遺産の維持、保存というユネスコが実施している目標を広報するものです。
西北部ソンラ省ソンラ市に住むホアン・ティ・リェンさんは「タイ族の人々にとって、ソエタイという踊りは毎日食べるご飯や水のように親しみやすいもので、幾世代ものタイ族の人々が維持、保存してきたものである。今回、ソエタイがユネスコにより世界無形文化遺産として認定されたことはソエタイが今後も引き続き保存する基礎となる」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ソンラ省に住むタイ族出身の者として、タイ族の伝統的踊りソエタイがユネスコにより世界無形文化遺産として認定されたことを誇りに思っています。私たちは多くの行事やイベントでソエタイを上演してきました。観衆はソエタイが大好きなので、嬉しいですよ」
イェンバイ省ギアロ町ギア・アン村に住むソエタイの芸人ディウ・ティ・シェン(Dieu Thi Sieng)さんはこの数十年にわたり、ソエタイを若い世代へ伝えるため力を入れてきました。
シェンさんによりますと、ソエタイはタイ族の人々の生活に欠かせない一部となってきました。そのため、タイ族のすべての祭りや宗教行事でソエタイが公演されます。ソエタイが上演すると仕事が順調に行われるようになり、人と人との関係が親しくなると信じられています。
現在、イエンバイ省ムオンロ県で多くのソエタイの芸人が住んでいます。ムオンロ県はソエタイを若い世代に伝えるため、ソエタイを学校の教育カリキュラムに取り入れています。先ほどのソエタイの芸人ディウ・ティ・シェンさんは次のように語りました。
(テープ)
「ソエタイがユネスコにより無形文化遺産として認定されたことを受け、誇りに思っています。先人がこのような素晴らしい踊りを残してもらうことから、私たちはこの踊りが無くならないように、維持、保存することに全力を尽くします」
2013年、文化スポーツ観光省はソエタイを国家文化財として認定しました。北部山岳地帯ディエンビエン省の文化スポーツ観光局のグエン・ホアン・ヒェップ副局長によりますと、ソエタイがユネスコにより無形文化遺産として認定されたことは重要な意義があります。
この出来事はソエタイに対するタイ族の誇りを目覚ますと共に若い世代がこの文化遺産への関心を深めることに寄与するとしています。また、これにより、タイ族の人々は近代社会におけるソエタイの維持、保存に対する責任感を高めることになります。ヒェップ副局長は次のように語りました。
(テープ)
「ディエンビエン省の文化スポーツ観光に携わっている人々がソエタイがユネスコにより無形文化遺産として認定されたことを嬉しく思っています。これまで、ソエタイがタイ族の伝統的祭りだけでなく、観光イベントでも上演されてきました。今後、国内外の人々にソエタイの美しさを広く紹介するため、ソエタイの上演を強化し続けます」
ソエタイがユネスコにより無形文化遺産として認定されたことをきっかけに、今後、タイ族のこの文化遺産がさらに国内外の人々に知られるようになることが期待されています。