フーコク島の北には長いという意味のザイ・ビーチがあります。その呼び名通り、ロングビーチであまり人気がなく、手付かずの美しさに恵まれています。アメリカのある通信社はこのビーチは世界で最も美しいビーチのトップ5に入れています。

フーコク島（写真：baochinhphu.vn）

フーコク島にはビーチのほか、ここにある漁村も観光客の人気を集めています。海に面していながらも山に頼っているハムニン漁村は今も、昔のままの姿を保っています。この漁村の村民は真珠と海鼠（ナマコ）捕りで生計を立てています。この島に足を運ぶと観光客は地元住民の日常生活を垣間見ることができます。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、閉鎖せざるを得なくなった南部メコンデルタ地方キエンザン省の沖合にあるフーコック市は11月20日、ベトナムへの外国人や国外在留ベトナム人の観光客受け入れ再開試行事業の一環として、外国人観光客を約2年ぶりに受け入れました。
ワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)を有する韓国人観光客204人が、Vietjet Air＝ベトジェットエアの運航するチャーター便で、韓国の仁川(インチョン)国際空港を出発し、20日正午にフーコック国際空港に到着しました。観光客は、3泊4日のパッケージツアーに参加し、地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ(Vingroup)傘下のビンパールの娯楽リゾート複合施設「フーコック・ユナイテッド・センター(Phu Quoc United Center)」で過ごしました。
到着後は空港でスクリーニングを受け、アプリ「IGOVN」と「PC-Covid」をインストールした後、宿泊先のビンパール・リゾート＆スパ・フーコックに移動しました。フーコック・ユナイテッド・センター内の病院「ビンメック・フーコック国際総合病院のスタッフによる新型コロナウイルス検査を受けました。観光客は最終日にも検査を受けました。

外国人観光客の受け入れの準備のため、数か月前、キェンザン省の関連各機関は様々な活動を行ってきました。同市は18歳以上の島民の全員に新型コロナウイルスワクチン接種を行いました。

現在、同市は12歳から17歳までの子供にワクチン接種を行っています。一方、フーコク市はPCR検査機器3台を購入した他、1500床ある新型コロナ治療施設を建設しました。フーコク市人民委員会のフイン・クアン・フン委員長は次のように語りました。

（テープ） 

「地元の行政府の最も大きな責任は市民、観光客の健康と命の安全を確保するということです。新型コロナウイルスワクチンは効果をあげています。現在、フーコク市では新型コロナを制圧し、観光客の受け入れに十分な条件が整えられています」

フーコク国際空港

その他、フーコク市は外国人観光客の受け入れ条件を十分に整えた企業を選定し、提案しました。外国人観光客の受け入れが許可されたビングループと観光不動産開発を手掛けるサングループ（Sun Group）の観光施設を視察した際、文化スポーツ観光省のドアン・バン・ベト次官は次のように語りました。

（テープ） 

「フーコク市は観光客の受け入れの準備を周到に行ってきました。フーコク市が外国人観光客の受け入れの再開を行うベトナムの最初の地方として選ばれるのは正しい決定です。私たちは観光客と地元の住民の健康の安全確保のため様々なシナリオを作成しました。」

フーコク市の旅行会社は新型コロナウイルス感染症予防対策を実施しながら、観光客が楽しい旅を過ごせるように、観光地へバブル方式によるトラベル・ツアーを行っています。

フーコク市が2年ぶりに外国人観光客の受け入れを再開することはベトナムの観光部門の活動の再開に重要な意義を持っています。来年3月末まで、フーコク市は韓国とヨーロッパ諸国からおよそ5千人を迎える見通しです。フーコク市は観光が安全で、魅力的、かつ、親しみやすい目的地になるため周到な準備を整えています。