クアンチ戦場へ帰る

クァンチ省に足を運ぶ観光客はこの土地に美味しい料理があることや美しい風景があるというだけではなく、国の独立と自由のため身をささげた人々を偲ぶという特別な理由があることを知っています。クァンチ省にはクァンチ古城、国道9号線の共同墓地、チュオンソン共同墓地などがあります。

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北部山岳地帯にあるランソン省に住む復員軍人ファム・スアン・タイン( Pham Xuan Thanh) さんは数年に一度クァンチ省に永眠している戦友の墓をお参りするため、クァンチ省を訪れます。タインさんは1972年の81日間にわたる、クァンチ古城で行われたアメリカ軍とベトナム人民軍との激戦に参戦した兵士の一人です。クァンチ省に行く度に、タインさんは故郷の土と水を持参します。その土を戦友の墓に撒き、そして、水をクァンチ省を流れるタクハン川に流します。タインさんは「これをすることで、永眠している戦友に故郷のものをあたえる」と考えています。

(テープ)

「今日、戦友を訪れ、戦友に花を流れ心が動いています。いつも、この川で犠牲になった戦友と地元の住民のことを思っています。かつての戦争で私たちは勝利を収めたので、誇りだと思っています」

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現在、クァンチ省には共同墓地72ヶ所があり、ここにはおよそ65万人の戦没者が眠っています。クァンチ省は国立共同墓地2ヶ所がある全国で唯一の地方です。クァンチ省のずべての村には共同墓地があり、一つの村に共同墓地が4ヶ所がある所もあります。また、クァンチ古城とクァンチ省を流れるタクハン川は「墓のない共同墓地」とされ、ここには数千人の兵士が永眠しているからです。

7月になるとクァンチ省にある各共同墓地を訪れる人々がたくさんいます。北部港湾都市ハイフォンのグェン・ティ・ハイン( Nguyen Thi Hanh) おばあさんはクァンチ省にあるチュオンソン国立共同墓地を初めて訪れた時、涙を流れました。

(テープ)

「心がゆれます。ここに永眠している兵士の姿が見えるようです。彼らの勇敢さは想像できないものです。ここで線香をあげて、戦没者に感謝の気持ちを表しています」

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ベトナムでは7月27日は傷病兵・戦没者の日です。毎年、7月になると、革命功労者に対する様々な恩に報いる活動が活発に行われます。今年、クァンチ省ではクアベト戦勝の記念塔の建設が完了しました。また、この機に、各商業銀行はクァンチ省の革命功労者に対する様々な恩に報いる活動におよそ1兆ドンを支援しました。リェンベト・ポストバンク銀行の取締役会のグェン・ドゥク・フォン( Nguyen Duc Huong) 副会長は次のように語りました。

(テープ)

「今日、私たちは平和の中で暮らしていますが、かつて、多くの人々は戦争で犠牲になりました。私たちはどんなに支援をしても、それがその恩に報われるものではありません。私たちは若者に対し、先人の功労に値するため、生活に努力するようというメッセージを送りたいのです」

戦争が終結してから40年が経ちましたが、国の独立のため犠牲になった人々への思いは永遠になくなることはないでしょう。

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