(VOVWORLD) -南部アンザン省のロー寺で行われる競牛祭り(牛レース祭り)は、南部メコンデルタ地域に住む少数民族クメール族の伝統的な祭りの 1 つです。
牛レースに参加する牛 |
これはコミュニティを団結させる伝統的なスポーツイベントであり、クメール族の村に住む人々の精神生活の美しさを示しています。
現場の音
アンザン省ティンビエン町にあるロー寺における牛レース祭りは、水田耕作から生まれたクメール族の人々の要求により開かれるイベントです。ロー寺のChau Sóc Khonl上座は次のように語りました。
(テープ)
「クメール族の習慣では、クメール族のお盆祭りとみられる「セン・ドルタ」の前、そして、田植えの後、農民たちが集まって牛のレースに参加します。牛のレースに参加するのはレースの楽しさを堪能するためのもので、勝ち負けは重要なことではありません」
この牛のレースはクメール族の人々が先祖の恩を偲ぶためのものです。ホーチミン市の経済観光研究所のズオン・ドゥク・ミン副所長は次のように語りました。
(テープ)
「牛のレースは厳格な原則により行われます。この牛のレースは自然の恩に報いるためのものです。牛は農業の持続可能な成長を象徴するものとされています」
競牛場は長さ約200メートル、幅約100メートルの平地で、水が入り込み、何度も耕して泥を滑らかにし、四方を堤防で囲い、ゴール地点には牛が安全に止まるための空き道を設けています。出発地には緑と赤の 2 つの旗があり、それぞれ 5 メートル離れており、目的地でも同じです。
今年のロー寺の牛のレースに、アンザン省のティンビエン町とチートン県から24の牛の組が集まりました。ロー寺の牛レース祭の実行委員会の一員である写真家のフイン・フック・ハウ氏は次のように語りました。
(テープ)
「ロー寺には昔から競牛場がありました。ここで牛レースは何度も開催されてきましたが、応援してくれる観客の数は年を追って増えています。10回目となる今年は、全国から多くの観客が牛レースを見に来てくれてとても嬉しいです」
牛レースの様子 |
健康な牛が牛レースに参加できるよう、牛の飼い主は細心の注意を払い、定期的に牛に野原を走る練習をさせています。ある牛の飼い主は次のように語りました。
(テープ)
「通常、牛は食べたいものを何でも食べられますが、レースの日が間近になると、エサは少なすぎてもダメ、多すぎてもダメです。その時、牛には、卵、新鮮なココナッツ、お粥などの栄養価の高い食べ物を食べさせます。運動も定期的に行い、週に1回トレーニングする人もいますが、私は牛に週に3回運動させています」
クメール族にとって、牛のレース祭は伝統的でユニークなイベントです。この祭りは文化と精神面に大きな意義があるほか、地元観光の発展にも貢献しています。