(VOVWORLD) -ベトナム東北部にあるクアンニン省は世界遺産として認定されたハロン湾があるだけでなく、仏教の聖地としても有名なイエントゥー山があります。
ベトナム仏教の2000年の歴史において、イエントゥー山はチャン・ニャン・トン王と密切な関係があります。チャン・ニャン・トン王はベトナム人仏教の禅宗であるチュック・ラム禅宗を開きました。イエントゥー地域一帯はベトナムの昔の呼び名であるダイベト(大越)の仏教の地域でした。イエントゥー遺跡は特別な国家遺産として認定されており、その中で、イエントゥー遺跡にあるゴアバン寺は「チュック・ラム禅宗の心」と言っても過言ではありません。
(写真: baoquocte.vn) |
バオダイという山に位置するゴアバン寺はベトナム北部に1009年から1225年まで存在したチャン王朝の特別な国家遺跡地区にある14箇所の遺跡の一部です。チャン・ニャン・トン王は700年前に出家して、ここで修行したところであることから、この場はチュック・ラム禅宗の聖地と言われています。
ゴアバン寺は標高500メートルの山腹に位置し、一年中、雲に包まれています。この寺に行くために、参拝客はまがりくねった山道を行ったり、谷川を渡ったりしなければなりません。道中はかなり大変ですが、ゴアバン寺の近くに着くと、竹林の美しい風景を鑑賞する事ができます。ゴアバン寺の住職者であるティック・タイン・ティン( Thich Thanh Tien) 氏は次のように語りました。
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「史書によりますと、ゴアバン寺はチャン・ニャン・トン王が死去した1308年以前に建立されました。その時、チャン・ニャン・トン王はここで修行を行いました。当初、この寺は小さなお寺でした。チャン・ニャン・トン王はここで晩年を過ごしたので、このお寺は重要な意義があるのです」
こうした理由で、ゴアバン寺はチュック・ラム禅宗の聖地とされています。クアンニン省のベトナム仏教協会管理委員会の委員長を務めるティック・タイン・クェット上座は次のように語りました。
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「これは愛国の仏教、民族のための仏教、人類の仏教を育成、訓練する場所です。」
1298年、チャン・ニャン・トン王はイェントゥー山に入って、出家しました。修行を積んだのち、仏教の新しい宗派のチュックラム禅宗を開きました。1308年11月に、チャン・ニャン・トン王は涅槃に入りました。人文社会科学大学の講師チン・アイン・バン(Trinh Anh Van)さんは次のように語りました。
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「チャン・ニャン・トン王がこのゴアバン寺で、涅槃に入ったことはこの遺跡の価値を示しています。そのため、ゴアバン寺をお参りに行くのは普通の歴史遺跡を訪れるだけでなく、仏教の思想を学習できることができます。」
(写真: baoquocte.vn) |
毎年、旧暦の1月9日に、ゴアバン寺の春祭りが開催され、3ヶ月間続いています。これは参拝客と一般住民がチャン・ニャン・トン王の大きな功労を偲ぶチャンスであり、「水を飲む時、その井戸を掘った人の恩を思う」というベトナム民族の美意識を示すものです。北部港湾都市ハイフォンからの観光客ドゥ・タイン・レ( Do Thanh Le) さんは次のように語りました。
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「ゴアバン寺は神聖なところです。このお寺を参拝に行くことができ、誇りと思っています。このお寺は歴史的価値があります」
現在、参拝客はゴアバン寺に行くため、急な坂道をたどる他、ケーブルカーを利用することもできます。これにより、ゴアバン寺に行く人々が容易にこのお寺に行くことができるようになることでしょう。