トゥン・フェウ( Tuong Phieu) 集会所
(VOVWORLD) -ディン(Đình 亭)とは、村の守護神を祀り、村の集会や祭りなどが行われる所で、昔のベトナムの村だったら、どの村でもあります。
ハノイから西南へ40キロ離れたところにあるフックトゥ県ティクザン村トゥンフェウ村落のトゥン・フェウディン(Đình 亭・集会所)はハノイ郊外の有名な遺跡の一つです。ディン(Đình 亭)とは、村の守護神を祀り、村の集会や祭りなどが行われる所で、昔のベトナムの村だったら、どの村でもあります。
これはハノイ西南部にある最も大きな集会所です。2018年末、この集会所が国の特別遺跡として認定されました。トゥン・フェウ集会所が1430年に建立されており、幾多の改修を経て、今日のように立派なものになりました。トゥン・フェウ集会所は山の神とされているタンビェン( Tan Vien) を祀っています。伝説によりますと、タンビェン神はベトナムの民俗信仰の4人の不死の神様の一つです。タン・ビェン神の他、タイン・ゾン神、女神のリェウ・ハイン、及び、チュー・ドン・トゥの3人の神がいます。
トゥン・フェウ集会所は西南向きがあり、正面はタンビェン( Tan Vien) を祀る神社があるバービー山に向いています。
伝説によりますと、昔、村人の性格は質素ですが、貧しい生活を送っていることを知ってか、タンビェン( Tan Vien)という山の神がここに来て、稲作と魚の獲り方を教えてくれました。これにより、地元の人々が豊かな生活を送れるようになりました。
トゥン・フェウ村の文化遺跡管理小委員会のクァット・バン・ティン( Khuat Van Thinh) 委員長は次のように語りました。
(テープ)
「伝説によりますと、1432年、山の神タンビェンは村人に魚の獲り方を教えました。翌年に、タンビェンはこの村を再び訪れ、地元の生活を視察しました。タンビェンは村人と共に夜まで魚取りに行きました。夜に、村人はタンビェンを見送る準備をしている最中、突然、強風と5色の雲が出て、タンビェンを山まで運びました。そして、この地をそよ風という意味の「トゥン・フェウ」という名前をつけるようになりました。」
トゥン・フェウ集会所は独特な建築様式を持っています。この集会所はリム(Lim)というアイアンウッド(鉄木)、ラテライト(ベトナム語では、穴が無数にあいていることから“蜂の巣煉瓦”と呼ばれる)、及び、焼いたレンガで建てられました。
また、集会所は拝堂、関門という2つの部分から構成されました。拝堂の長さは20メートル、幅は10で、参拝する場所でありながら、村人の集会所でもあります。地元に住むグェン・フイ・ゴック( Nguyen Huy Ngoc) さんは次のように語りました。
(テープ)
「トゥン・フェウ集会所の建築面での価値は主に拝堂にあります。拝堂は板張りの床が高いため、高床式の家のようなもので、屋根の四隅は優雅にカーブして反り上がっています。トゥン・フェウ集会所では鳳凰、龍、馬などの浮き彫りが施されています。現在、トゥン・フェウ集会所では封建時代から残された多くの現物が保存されています」
トゥン・フェウ集会所の祭りは年に4回開かれますが、旧暦1月15日に開かれるのが最も大規模なものです。
祭りの日に、村の守護神を祀る儀式の他、ご飯を炊く試合、卓球やバドミントン大会など様々な活動が披露されます。
長い歴史を経ながらも、トゥン・フェウ集会所は昔のままの姿で保存されています。このようなトゥン・フェウ集会所は国の特別な遺跡としての名に恥じない貢献を果たすことでしょう。