ドンスアン市場はハノイ旧市街にあり、ハノイの前身であるタンロンの都の成り立ちと密接に結びついています。この市場は交易の場所としてだけでなく、昔のハノイの生活ぶりを反映する所でもあります。
ドンスアン市場は1889年、フランス人により建てられました。当時、この市場はドンスアン(同春)という地区に建てられたことから、『ドンスアン市場』という名が付けられます。特に、ハノイを流れるホン川沿いにあることから、フランス人がロンビェン橋を建設した頃、ドンスアン市場での商売が盛んになりました。この市場は陸路、鉄道、水路に便利なところにあります。
当初、ドンスアン市場は三角屋根が5つある特徴的な建築様式でしたが、1994年の火災で消失し、現在の三つとなっています。この市場は西洋風のデザインと、蜂の巣のような小さな穴がたくさん施されています。第二次大戦後、フランス軍はハノイを再び占領するため、ハノイに戻りました。そして、1947年始めの約60日間、ベトナム人民軍とフランス軍との激しい戦闘がこの市場で勃発し、多くのベトナム兵士がここで犠牲になりました。
現在のドンスアン市場の建物は3階建てで、1994年の火災以降に新築されたものです。中央には大きな吹き抜けがあり、それを取り囲んで商店が並んでいます。歴史あるこの市場には現在、エレベーターまで設置されています。ドンスアン株式会社のドゥ・スアン・トゥイ( Do Xuan Thuy) 会長は次のように語りました。
(テープ)
「近年、ドンスアン株式会社はこの市場がベトナムの伝統的市場としての特徴を維持するため、ドンスアン市場を管理しています。今後も、経済発展の需要に応えるため、引き続きこの市場のインフラ整備を行っていきます。この市場で経営している商人たちに対しては、文明的発言と行動を行うよう呼びかけています」
国内の人々だけでなく、ハノイを訪れる外国人観光客もよくこの市場にやってきます。この市場は旧市街の中にあり、ハノイの有名なお土産、衣料品を売っている通りのすぐそばにあるので、とても便利です。先ほどのドンスアン株式会社のドゥ・スアン・トゥイ( Do Xuan Thuy) 会長は次のように語っています。
(テープ)
「近年、ドンスアン市場を訪れる国内外の観光客が日増しに増えています。2016年、その数は延べ40万人でした。このように、ドンスアン市場はハノイの有名な卸売り場、ショッピングセンターとしてだけでなく、観光スポットの一つともなっています。私たちはこの市場を訪れる観光客を補助するグループを結成しました。」
(写真:soha.vn)
2003年、ドンスアン市場のナイトマーケットが開かれました。このナイトマーケットでは食べ物や衣料品、履物、化粧品様々な商品が販売されるだけでなく、ベトナムの伝統的民謡ハットチエオ、北部バクニン省の民謡クアンホーなどの公演が行われました。ベトナム音楽芸術開発センターのタオ・ザン( Thao Giang) センター長は次のように語りました。
(テープ)
「この12年、毎週土曜日の夜に、ベトナムの伝統的民謡の公演が上演され、多くの人々が楽しんでいます。また、市場にはベトナムの伝統的民謡ハットサムも上演されています。これはドンスアン夜の市の独特なものです
現在、ドンスアン株式会社はドンスアン市場をさらにピーアールするため全力を尽くしています。