バイディン寺群は、ハノイの南95キロのニンビン省、古都ホアルーや景勝地チャンアンに近い、ニンビン市中心部から西へ約17キロの地点にあります。バイディン寺群は近年国内外の多くの観光客を集めています。
バイディン寺群には旧バイディン寺と新バイディン寺があります。ベトナム語でバイというのは拝むという意味で、ディンというのは山の頂ですから、バイディンというのは天を参拝する意味になります。
古いバイディン寺は今から1000年前に、高さ187メートルの山頂に建立されました。李朝時代の高僧リー・クオックスー禅師によって建てられたといわれ、仏像の他、ホアルーの四鎮の一つで西を護るカオソン(Cao Son)、聖グエン(Thanh Nguyen リー・クオックスーのこと)などが祀られています。
この寺院には静かな山の頂の近くにあり、中央には前堂があり、右には仏様とカオソンという神様を祀るサンという洞窟が、左には聖母と仙女を祀るトイという洞窟があります。この寺院はベトナムによく見られる洞窟にある寺院の建築様式があります。観光のガイドドゥ・ゴック・アインさんは次のように語りました。
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「サンという洞窟に入る門にはこの寺院の美しさをたたえる大きな4文字が刻まれました。この洞窟の天井は頑丈で、仏様と聖母を守っています。洞窟内にある祭壇はベトナムの古い寺院によく見られる三世像、釈迦像、観音像が置かれました」
特にサン洞窟を抜けると、広い口があり、ここから山の麓に広がる緑あふれた盆地が一望できます。
古いバイディン寺を参拝してから、参拝客は山腹にある小さい道に沿って、1キロほど歩くと新バイディン寺に着きます。この寺はこの地域でもっとも高い山であるディン山の麓に建立されました。この寺院の前にはダムテイ湖とホアンロン川があります。新しい寺は門から一番奥まで約3キロ、手前から、三関門、鐘楼、観世音殿、釈迦仏殿、三世仏殿があり、回廊で囲まれています。この回廊には500体の羅漢像があり、アジアで最も多くの羅漢像が置かれた回廊とされています。先ほどの観光のガイドドゥ・ゴック・アインさんはさらに次のように語りました。
(テープ)
「羅漢像はニンビン省の石彫刻の職人の手により、特別な大理石で造られました。それぞれの像の高さは2メートル~2,5メートルまで、重さは2トン~2,5トンまでです。それぞれの像は違う態度や顔を示しています。」
新バイディン寺の鐘楼には重さ36トンものつり鐘があり、ベトナムで最も大きな銅製の鐘とされています。羅漢像が置かれた回廊に沿って行くと観世音殿や法主殿に着きます。ここにはベトナムの最大とされる千手千眼観音像があります。中部ダラット市の観光客ブー・アイン・クァン( Vu Anh Quan) さんは次のように語りました。
(テープ)
「テレビでこれらの像を見ましたが、ここに来て、自分の目で直接見るとその大きさは想像よりはるかに大きなものです。この寺はベトナムでの多くの記録を突破しました。」
毎年陰暦1月6日のバイディン寺の祭りに国内外の多くの参拝客はここに参拝に行きます。仏教徒であるライ・ゴック・ガーさんは次のように語りました。
(テープ)
「毎年、この寺院の参拝に行きます。これは仏様の土地ですから、数キロを歩いていても疲れません。ここは神聖な土地です。私は家族の健康と幸運を祈ります。ここに来ると元気になります」
バイディン寺は古都ホアルーや景勝地チャンアンへの観光ツアーの一つとなってきました。この寺院に参拝に行くと心が落ち着き安らぎます。