(VOVWORLD) -ベトナムの東北部に位置しているランソン省は雄大な自然景観、有名な歴史遺跡があるだけでなく、地元に住む各少数民族の伝統的文化、中には山岳地帯の風味が濃厚に漂うユニークな料理で知られています。
豚の丸焼き |
ランソン省の省都であるランソン市に足を運ぶと観光客は黄金色に焼かれた豚やアヒルの丸焼きがいっぱいに並べられている露店を見ることができます。ランソン市のバクソン通りにある豚の丸焼き専門店のオーナーであるホアン・サンさんは「美味しい豚の丸焼を作りため、まず始めに体重25キロ~40キロで毛が滑らかな豚を選ぶ必要があると明らかにし、次のように述べました。
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「子豚の丸焼きを作るため、年齢4~6ヶ月の豚を使わなければなりません。基本的には、良質な素材と、十分な経験を持つ職人によって調理することが重要です。また、火力が適切でなければ、美味しい製品は作れません。」
バクソン県クィンソン村に住むチェウ・グエット・ガーさんは、美味しい豚の丸焼きを作るためには多くの工程を経る必要があると明らかにし、次のように述べました。
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「豚の丸焼きをする時、私たちは乾燥したマッマットの実とマッマットの葉を豚の内側に詰め込みます。そして、炭火で直接焼いて、キツネ色の艶を出すとともに、香ばしさ、甘さ、コクを加えるため、豚がほぼ焼き上がる頃に、豚の皮に特製の蜂蜜を塗ります」
豚の丸焼きに色をつけることは、ランソン省の豚の丸焼きの最も重要な工程の一つです。豚の皮がパリッと膨らむように、職人は長い針を使って皮に刺しながら焼き、同時に蜂蜜を塗り、均等に焼き続けていきます。そうすることで、豚はきつね色に仕上がります。先ほどのホアン・サンさんはさらに次のように語っています。
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「バラ肉の皮部分が最も美味しいとされています。十分に時間をかけて香辛料がしっかりと染み込んだことから、肉が柔らかく、ジューシーさを失うことはありません」
ランソン省の特産料理の中で、豚の丸焼きのほか、アヒルの丸焼きも有名です。このアヒルの丸焼きは、地元に住む少数民族であるティ族やヌン民族の人々が、家の周りにある川や湖の水辺で放し飼いにして育てたアヒルを使って調理されるものです。美味しいアヒルの丸焼きを作るためには、まず羽毛を取り、腹を裂いてきれいに洗浄した後、職人は香りの高いマッマットの葉を始め、各種の香辛料で丁寧に下味をつけます。ヒュールン県のチェウ・グエット・ガーさんは次のように語っています。
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「ティ族の人々は、自然に放し飼いされたアヒルを捕まえ、その後、新鮮なマッマットの葉で漬け込み、炭火でじっくりと焼き上げます。地方ごとに異なる独自の調味料が使用されますが、欠かせないのがマッマットの葉で、この葉がアヒルに特有の香りを与えます。これは、ランソン省のアヒルの丸焼きの魅力を作り出すものです」
アヒルの丸焼き |
春に、ランソン省を訪れると、肌寒い気候の中で絶対に見逃すことができない料理が「カウ・ヌック」と呼ばれるとろ火で煮込んだ豚肉です。「カウ・ヌック」は豚のばら肉をニンニク、唐辛子、お酒、こしょう、シナモンなどと一緒に蒸したもので、独特な味がすることで知られています。こうした「カウ・ヌック」は、ヌン族の結婚式や長寿祝いの宴会に出されるほか、お客さんにご馳走する席には欠かせない料理です。ランソン省ザービン県に住むノン・バン・クアットさんは次のように語りました。
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「カウ・ヌックは、ザービン県の人々に非常に好まれる料理で、結婚式や祭り、正月など特別な時期に必ず出される特産料理です。美味しいカウ・ヌックを作るためには、まずバラ肉など良質な豚を使います。その後、肉をきれいに洗い、1辺が約0.8〜1kgの大きさに切り分けます」
カウ・ヌックは、朝食や主食にご飯、パン、そして様々な野菜と一緒に食べることができます。バラ肉は柔らかく煮込まれ、香辛料がしっかりと染み込み、皮はほんのりと蜂蜜の甘さが感じられ、脂身はまろやかでありながら、決して重たく感じることはありません。これらの味が一体となることから、食べた人々はその特別な味わいを忘れることができません。