ベトナムの社会単位を表すものとして「村落」がありますが、村の集会所「ディン」は村の中心的な存在とされています。中南部ビントアン省にある村の集会所「ディン」は地元の人々の移住、土地開拓、村落の形成に密接につながり、この地の歴史、建築の独特さを作り出しています。

ビントアン省トゥイフオン県ビンタイン村にあるビンアン集会所はビントアン省にある集会所の中で、最も長い歴史を持つディンです。18世紀に建設されたこの集会所は当時の民間建築様式の代表的建築物で、歴史、文化などの面に際立った価値があります。これにより、この集会所が国家の建築芸術遺跡として認定されました。

建設されてから300年後の現在、この集会所は地元の人々の文化・信仰活動が行われる場所となってきました。毎年、春と秋にここで村の祭りが執り行われています。近年、トゥイフオン県にある寺院や神社と共に、この集会所を訪れる観光客が増えています。中部高原地帯テイグェン地方にあるラムドン省の観光客ルー・コク・バオさんは次のように語りました。

（テープ）

「いくども、ビントアン省トゥイフオン県を訪れているので、ここでの風景が好きです。ここにあるコータイン寺、ホンカウ島、ビンアン村の集会所を訪れました。この集会所に行くとき、ここに祀られている神様に家族のご健康とご繁栄を祈りました。」

ビントアン省には54か所の集会所があり、その中の10の集会所は文化スポーツ観光省により国の文化財として認定されました。しかし、現在、村の集会所を訪れる観光客はまだ少ないです。

ビントアン省文化スポーツ観光局のボー・タイン・フイ副局長は今後、村の集会所を始め、文化遺産の維持、保存活動を強化すると共に、その価値の活用に力を入れると明らかにしました。フイ副局長は次のように語りました。

（テープ）

「私たちは地元にある観光ツアーの企画において、集会所を含め文化遺跡と祭りの体験ツアーを組みます。これは重要な観光ツアーと見なしています」

これらの観光ツアーが実施されれば、ビントアン省にある集会所の価値が広く知られるようになるでしょう。