(VOVWORLD) -フーコック島は南部キェンザン省の沖合に浮ぶ島で、島にある刑務所はこの島を訪れる観光客にとって見逃すことができない観光スポットの一つです。
国家の特別な遺跡として認定されたこの刑務所はかつての植民地と帝国主義者の罪悪を記す証拠の一つであり、ベトナムの革命戦士の頑強不屈の精神を示す場所でもあります。
フーコック刑務所はフーコック県アントーイ村ケイズア集落にあります。総面積およそ400ヘクタールのこの刑務所は元々フランス植民地主義者がベトナムの愛国者を拘束するため建てたものですが、サイゴン傀儡政権は1967年、戦争捕虜を拘束するために利用し、投獄しました。戦争中、これは南部の最も大規模な刑務所で、拘束された囚人の数が4万人にのぼった時もあります。
フーコック刑務所には元々12の地区がありましたが、1972年、2つの地区にも建設されました。それぞれの地区はおよそ3千人が収容できます。刑務所は高密度の有刺鉄線のフェンスで包囲されています。刑務所にはいつも大勢のガードが配置されていました。
1967年7月6日から1973年1月までの6年間、およそ4千人が刑務所内で死亡した他、数千人が虐待を受けて、身体障害者になりました。フーコック刑務所の歴史遺跡地区の幹部の1人であるボー・テイ・トゥ・ハー( Vo Thi Thu Ha) さんは次のように語りました。
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「アメリカを始め、フーコック刑務所を訪れる観光客はいずれもアメリカ帝国主義者がかつて利用した拷問のやり方に憤然たる表情になります。多くの観光客は泣き出しました。彼らは記念塔に線香を手向けました。かつてのアメリカ帝国主義者はそんな野蛮な拷問のやり方を発明したなんて考えられません」
フーコック刑務所に投獄された政治犯は残酷で野蛮な拷問を受けました。囚人たちは熱射が照りつけるスズの板の上に干され、腹部や胸がやけどしてしまいました。身体の弱い人は、意識を失いました。もし、体を動かすと、頭に打たれたり、又は、銃で撃たれました。また、刑務官は棒で囚人の手足の指先を打ったり、囚人の歯を抜いたりしていました。フランス人の観光客Vasseulさんは次のように語りました。
(テープ)
「サイゴンやコンダオ島にある他の刑務所と同じように、フーコック刑務所には多くの恐ろしい拷問の方法がありました。そこでは、囚人たちは狭くて、熱いコンテナに収容されています。刑務所の遺跡を見学する時、かつてのベトナムの革命戦士の勇敢さと頑強不屈の精神が理解できるようになりました」
最も野蛮な拷問方法は囚人を「虎の檻」に入れることです。「虎の檻」とは高さ1メートル、長さ2メートルの鉄製の檻で、その檻は有刺鉄線が張られていました。ここに収容される囚人は横になることも、立つこともできず、座ることもできず、身体の姿勢を変えると身体は有刺鉄線で傷つくようになるのです。暑い時にはコンロがその檻のそばに置かれ、寒い日には、冷たい水が注がれます。
また、囚人は足首、膝、頭などに釘が打たれました。フーコック刑務所の遺跡で行われた発掘の結果、足首、膝、頭などに打たれた長さ10センチもの釘が見つかりました。これらの現物は現在、フーコック刑務所の遺跡展示館で展示されています。ハノイからの観光客カイン・ゴックさんは次のように語りました。
(テープ)
「私達の世代の人々は戦争中、このような野蛮な拷問方法が行なわれていたことが信じられません。この遺跡を見学して、私達はかつての戦争中に、国の独立のために、命を捧げた人々の勇敢さに感服しています」
毎年、フーコック刑務所の遺跡を訪れる観光客は数万人にのぼっています。その中には、かつて、この刑務所で拘束されていた元囚人もいます。今日の若者がこの遺跡を見学する時、国の独立のための戦いの中で、先人たちの勇敢さと頑強不屈の精神を理解することでしょう。