ベトナムのクオック・グーの誕生につながるタインチェム鎮の遺跡
(VOVWORLD) -鎮とは台湾や中国やベトナムの郷級行政区でした。この鎮とは都市よりも人口の少ない人口集中区域です。
ベトナム中部クアンナム省ディンバン町ディンフォン村にあるタインチェム鎮の遺跡はベトナム文化スポーツ観光省により、国家レベルの遺跡として認定されました。鎮とは台湾や中国やベトナムの郷級行政区で、英語のタウンという意味です。この鎮とは都市よりも人口の少ない人口集中区域です。ベトナム最後の王朝であるグェン王朝に、このタインチェム鎮は古都フエに次いで、中部と南部の政治、軍事、経済の中心地として栄えました。
それから400年以上が経ち、昔のタインチェム鎮にある建物はほとんど破壊されました。現在、クアンナム省はこの地区を観光スポットにするため、そこにある昔の建物の復元に力を入れています。
史書によりますと、1602年、グェン王朝のテイン・グェン・ホアン( Tien Nguyen Hoang) 王はクアンナム地区の官邸、別名、タインチェム官邸を建設しました。タインチェム鎮は中部にあるグェン王族の2番目の中心地とされています。ここはオランダの艦船と敵対するチン王族を打ち破る戦いの根拠地でした。1617年から1625年まで、タインチェム鎮で、ポルトガル人のFrancisco De Pina神父はベトナム語を勉強してから、ベトナム語で宣教を行いました。
これと同時に、Francisco De Pina神父は「ベトナム語のローマ字を表記する方法、及び、ベトナム語の文法という本を執筆しました。ベトナムの多くの科学者はタインチェム鎮は西側諸国の宣教師がクオック・グーの原型となるベトナム語のローマ字表記を発明する揺籃の地であるということで一致しました。先頃行われたタインチェム鎮に関する科学シンポジウムで、クァンナム省人民委員会のレー・チー・タイン( Le Tri Thanh)委員長は次のように語りました。
(テープ)
「タインチェム鎮の歴史的価値が日増しに確認され、顕彰されています。この遺跡の価値を認識したクアンアム省はこの遺跡の重要な価値を維持、保存するために、近年、中央と各地方の各機関や研究所などと連携して、この遺跡に関する多くの研究テーマやシンポジウムを行いました。」
400年あまりの歳月が立った現在、昔のタインチェム鎮の殆どの建築物が破壊されてしまい、ロンフン寺とタインチェム集会所だけしかが残っていません。最近、クアンナム省文化スポーツ観光局はディンバン町人民委員会と協力して、昔のタインチェム鎮の中心地とされている総面積およそ1万2千平方メートルで昔のタインチェム鎮にちなんだ遺物、資料、石碑などを展示しています。クアンナム省文化スポーツ観光局のホー・スアン・ティン副局長は次のように語りました。
(テープ)
「破壊された遺跡の保存は非常に難しいです。ですから、地面には何も残っていません。当面、私達はタインチェム鎮の存在を記す石碑を建てる他、この地区に関する展示室を建設します。その他、クオック・グー語の形成と発展に貢献する人々を顕彰する石碑も建てます」
クアンナム省ディンバン町人民委員会のグェン・スアン・ハ副委員長は「今後、クアンナム省はタインチェム鎮を同省に足を運ぶ観光客にとって新しい見学スポットを建設する」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「現在、タインチェム鎮にある建築物の大部分が破壊されましたが、昔あったいくつかの建築物の復旧に力を入れます。これを通じて、観光客はこの地区の形成、発展が理解できるでしょう」
タインチェム鎮の設立、及び、国家遺跡として認定されてから415周年を記念するにあたり、様々な活動が行われます。これらの活動はタインチェム鎮とクオック・グー語の歴史的・文化的価値を顕彰、発揮するためのものです。