ベトナムの北部山岳地帯で開かれる定期市は地元の各少数民族の人々が品物を販売、交換する場所としてだけでなく、その地方の文化の特徴を表わすところでもあります。

カオバン省チャリン村にある水牛の市場も北部山岳地帯の独特な定期市一つです。地元の人々にとって定期市に行くのは祭りに行くようなものとなっています。

この定期市は毎月旧暦の4日、9日、14日、19日、24日、29日に開かれます。定期市になると、地元に住む各少数民族の人々は朝4，5時から、水牛を連れて市場に続々と集まっています。そして、昼まで行われます。

チャリン村の水牛の市場には各種の牛と水牛およそ1000頭が売買され、北部最大の水牛市場と言えます。各地の商人の多くがこの市場にやってきます。また、この市場は地元の人々が出会い、水牛の売買経験や飼育の経験交流をする場所でもあります。

カオバン省フンコク県の市民の一人 ノン・コク・トアン(Nong Quoc Tuan) さんは次のように語りました。

（テープ）

「この市場で水牛や牛を取引に行ってから5年になります。私は牛を買いました。殆どは知り合いから牛を買いますよ」

雄の水牛の値段は４千万ドン～６千万ドンです。売り手と買い手は値段交渉を熱心に行います。売り手は売れ残った水牛を家に連れて帰り、また飼育して、次の定期市にまた連れて行きます。チャリン町の市民ノン・バン・クアン( Nong Van Quang) さんは次のように語りました。

（テープ）

「畑を耕すための水牛を買う人は大きくて、健康な水牛を買わなければなりません。値段はちょっと高めでも、構いません。このような水牛を買うと、一年が経っても、高い値段で売れますよ」

定期市には商人だけでなく、バイクタクシーや水牛の飼料になるワラの売り手、水牛を洗うため水の売り手などもお金を稼ぎます。

現在、市場の需要が高まっていることから、一回の定期市は２，３日間続いています。中部ゲアン省から水牛をトラックに乗せて、売りに行ったグェン・スアン・ルック( Nguyen Xuan Luc) さんは次のように語っています。

（テープ）

「今回、市場に水牛30頭を連れてきました。値段はそれぞれ違いますが２千万～５千万ベトナムドン（約１０万～２５万円ぐらい）です。定期市に一回行くと、費用を除き、収益は１千万ドン、約５万円で、１ヶ月間に６回定期市に行きます。我が家は水牛を飼育しています。お金を必要とする時、売りますよ」

チャリン村の水牛の市場は長く前から北部山岳地帯の独特な文化を探検する場所でもなってきました。