堆積物が豊富なメコン川上流からの水が下流に氾濫した時、ベトナム南部メコンデルタ地区にあるドン・タップ・ムオイ地区は洪水期に入ります。地元の人々にとって、この季節に、最も忙しい季節です。
(写真:dulich24.com.vn)
南部ホーチミン市から約200キロ離れているドン・タップ・ムオイ地区にはシエウクイット、ゴータップ、ガオゴン、チャムチムなど全国で最も有名な生態観光地が多くある地区として知られています。これらの観光地ではいずれも手付かずの美しさがそのままの状態です。しかし、洪水期になるとその美しさは一層高まります。
洪水期は地元の人々が自然がこの地に与えられた産物を収穫する時とされています。今年の洪水は前年と比べて遅くやってきたものの水位がより高く、魚やえびの数がたくさんありました。数ヶ月前に、建設現場で仕事をしていたドアン・バン・ナム ( Doan Van Nam) さんは今、魚をとりに行っています。ナムさんの話です。
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「建設現場で仕事をするのは大変です。洪水の季節は、魚を釣りに行く方がより楽です。今年は魚をたくさんとりました。収入も前年よりよくなりました」
(写真:dulich24.com.vn)
洪水期になるとドン・タップ・ムオイ地区では鳥の有名な地名であるチャムチムという公園も賑やかになります。魚とエビが多くとれることから、周辺各地から鳥がたくさんやってきます。洪水期が過ぎると、この公園には世界でも稀な鳥類とされている頭の赤いオオヅル(seu dau do)がここにやってきます。チャムチム生態観光地のガイド ブー・キム・アイン( Vu Kim Anh) さんは次のように語りました。
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「毎年、年末から翌年の3,4月ごろにかけて、頭の赤いオオヅルがチャムチム生態観光地にやってきます。その時、すでに洪水が終わり、餌がたくさんある頃です。赤いオオヅルは常に、ドンタップムイ地区の真ん中に集中的に泊まります」
全長は1メートル80センチもあるこの頭の赤いオオヅルが見事な舞いを披露している姿がシャッターに収められました。これらの写真は国内外の写真コンクールで賞を獲得しました。
(写真:news.zing.vn)
洪水期に、ドン・タップ・ムオイ地区は広々とした蓮の花の畑で美しくなります。ここには白いの蓮の花と薄ピンクの花の2種類があります。ドン・タップ・ムオイ地区の蓮の花の美しさはベトナムでよく知られています。蓮の花の他、ドン・タップ・ムオイ地区には睡蓮の花もたくさんあります。地元の人々は睡蓮の茎を食材にしています。
毎年、洪水期がやってくると、ドン・タップ・ムオイ地区を訪れる観光客が多くなっています。手付かずの美しさと自然にある食材から調理された料理は観光客の心を奪っています。