北部クアンニン省クアンイェン町を流れ、ハロン湾の近い所にあるバックダン河（白藤江）はベトナムの侵略者との戦いにおいて、３つの勝利の目撃者です。先人の恩を偲ぶため、先頃、クアンニン省クアンイエン町イエンザン地区にあるベトナムの英雄チャン・コク・トアンを祀る神社でバクダン河で犠牲になった先人を祀る儀式が行われました。

クアンイェン町（写真：enternews.vn）

これはクアンニン省が主宰する国家観光年２０１８の活動の一環でもあります。クアンイエン町に住む住民の一人ブー・バン・ティン( Vu Van Tinh) さんは次のように語りました。

（テープ）      

「これはバクダン川の勝利を記念するため、毎年開かれている祭りです。本日、各地の多くの人々がこの祭りを訪れました。これはかつての民族の独立を勝ち取るための闘争に犠牲になった先人に感謝の気持ちを表わすためのものです」

伝説によりますと、これらの戦いはベトナムが地の利を最大限に生かしてもぎとった勝利と言えます。潮の満ち引きが河の水位に影響を与える関係から、ベトナムは、あらかじめ川底に杭を何本も打ち込んでおき、敵軍であった元の水軍を迎え入れました。逃げ出していったベトナム軍を見て、元軍は勝利を確信しましたが、潮が引くと水位が低下し、船底に杭が引っ掛かり、身動きが取れなくなってしまいました。水上で立ち往生し、慌てふためく元軍は、もはやベトナム軍の攻撃の的でしかなかったということです。

現在、バックダン河沿いには千年前に発生した戦いの痕跡が残されています。これらの勝利を顕彰するため、２０１２年、ベトナム政府はバックダン河の遺跡群を国家の特別な歴史遺跡として認定しました。現在、この遺跡群は多くの観光客を寄せ付けています。ハロン市の市民ブイ・バン・チュ( Bui Van Chuy) さんは次のように語りました。

（テープ）  

「どんなに忙しくても、私達は時間をやりくりして、バックダン河の遺跡群を見学したいのです。ここは風景が美しくて、気候がいいです。ベトナム人ならば、誰もが一度ここに来て、国の防衛事業における先人の功労を目撃すればと思います」

（写真： quangninh.gov.vn）

戦場になった昔の川は現在、平穏な川になり、交易活動が活発になっています。クアンイエン町には遺跡群がある他、大漁を祈願する儀式、田畑を耕す儀式など様々な儀式が行われています。その他、ここには現在、２４もの寺院や多くの神社があります。クアンニン省仏教協会のティク・タイン・リック( Thich Thanh Lich) 大徳は次のように語りました。

（テープ）  

「クアンニン省仏教協会は各地の人々がクアンニン省のバックダン河の遺跡群を知ってもらうためピーアール活動を強化することを望んでいます。その中には、チャン（陳）王朝時代の輝かしい勝利にちなんだ遺跡があります」

クアンイエン町はバックダン河の遺跡群を基礎に、観光を発展させる方針があります。クアンイエン町文化室のゴ・ディン・ズン( Ngo Dinh Dung) 室長は次のように語りました。

（テープ）

「私達はクアンイエン町にある遺跡群が今後もより多くの観光客を寄せ付けることを望んでいます。しかし、この意向を現実化させるため、具体的な計画を立てる必要があります。ここを一度訪れる観光客が再度訪れたいようにするため、全力を尽くします。」

観光発展の重要性を認識したクアンイエン町は地元にある遺跡群の価値を発揮して、観光発展に全力を尽くしています。