タイ族の生活に欠かせない蒸し器

(VOVWORLD) - 北西部に居住している少数民族タイ族の家に欠かせない台所用品の一つに蒸し器があります。生活は大きく変貌していますが、蒸し器は依然として日常生活によく使われています。
タイ族の生活に欠かせない蒸し器 - ảnh 1蒸し器で料理をしている大族の女性

タイ族の蒸し器は円筒形ですが、逆三角形のお湯の部分とその上にのせる部分とがあります。その高さは33センチ、底の直径は28センチ、口の直径は29センチです。口の部分には2つのハンドルがついていて、ハンドルの下にはトカゲの模様が施されているのが一般的です。銅製の蒸し器は水を入れて加熱して蒸気を発生させるもので、おこわや野菜などを調理するために使われますが、おこわを調理するときは、もち米を木材の蒸籠に入れるのに対し、野菜を調理するときは、竹製の蒸籠を使います。北西部ソンラ省の省都ソンラ市に住んでいるトン・ヴァン・ヒアさんは、竹製の蒸籠を作るために2、3日かかるが、木材の蒸籠はもっと時間がかかるとし、次のように話しました。

(テープ)

「木材の蒸籠の作り方は難しいので、作れるのは男性だけです。ただ、木材の蒸籠は長い間使わないと、割れ目があることが多いです。それに対し、竹製の蒸籠は作り方も簡単で、原料も手に入れやすいです。」

タイ族の生活に欠かせない蒸し器 - ảnh 2木材の蒸篭

こうした蒸し器は親から子へ受け継がれる貴重な生活用具です。この蒸し器は貧富を問わず、どんな家族でも持たなければならないので、引っ越しするとき、今まで使っている蒸し器が壊れれば、新しい蒸し器を用意しなければなりません。そして、子どもが結婚するとき、親からもらう蒸し器は婚礼用品の一つとして欠かせないものです。先ほどのヒアさんは次のように話しました。

(テープ) 

「タイ族は新築がすんだ後、すぐ蒸し器を用意します。また、子どもが結婚する時、親は婚礼用品として蒸し器を用意します。そして子どもが結婚生活で初めての食事を作るとき、必ず親からもらった蒸し器を使います。これは、豊かで幸福な生活への希望の現われです。」

タイ族の生活に欠かせない蒸し器 - ảnh 3竹製の蒸篭

タイ族の食文化の中で、各種のおこわは重要な位置を占めています。そのため、蒸し器は、タイ族の豊かな食文化を支える存在の一つです。ソンラ市でレストランを経営しているトン・ティ・ビエンさんは次のように話しました。

(テープ)

「私はタイ族向けのレストランを営んでいます。レストランでも家でも蒸し器は欠かせない台所用品です。レストランに来たお客さんは誰もが、おこわを注文します。普通のおこわの他、焼きおこわやフライのおこわもあります。」

現在、タイ族の居住地の市場では、蒸籠が良く売られています。竹製の蒸籠は15万ドンから20万ドン(700円から1000円)、木材の蒸籠は30万ドンから50万ドン(1500円から2500円)の値段で買えますが、お土産として多くの観光客に買い求められています。 

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