(VOVWORLD) - 西北部山岳地帯に住む少数民族タイ族のことわざに、「魚を食べに行き、酒を飲みに来る」ということわざがあります。このことわざは、魚料理がタイ族の食文化で重要な位置を占めていることを示しています。魚料理は様々ですが、その中で最も好まれるのは「魚の漬物」でしょう。
水切りをした後、2本指ほどの大きさに切ります。 |
お美味しい「魚の漬物」を作るためには美味しい魚を選ぶのが重要です。魚は2本指ほどの小さな魚でもいいですが、2、3キロある大きな魚の方が美味しいです。また、コイ目コイ科の草魚という魚を使うのが一般的です。そして、大きさを問わず、養殖の魚ではなく、川か湖で自然に生息している魚が求められます。
「魚の漬物」の美味しさを決める最も重要な要素は調味料とつくり方です。食用カンナや、ニンニク、塩などが使われますが、その中で欠かせないものが「ティン」という調味料です。「ティン」は、もち米をフライパンで黄色くなるまで炒めた後、粉になるまで細かくついた調味料です。魚をきれいに洗って、水切りをした後、2本指ほどの大きさに切ります。その後、細切りした食用カンナ、ニンニク、塩を調味料「ティン」とよく混ぜてから、魚につけます。西北部山岳地帯のソンラ省ソンラ市チエンレ村に住むタイ族の一人ルオン・ヴァン・ムオンさんは次のように話しました。
(テープ)
「他の調味料を「ティン」よく混ぜてから魚につけます。そうすることで、魚の中に調味料がよく染み込みます。そして、魚をもっと早く漬けさせたければ、砂糖をちょっと加えるとよいです。」
調味料がつけられた魚 |
魚が調味料によく染み込んだら、壺に入れますが、入れる前に、壺の底にその調味料を敷きます。また、魚を壺に入れる時、しっかりと押さなければなりません。そうしないと、魚を完全に漬けることができません。そして、一週間もすれば、食べられます。こうした魚は地元の各種の葉ものと一緒に食べたり、焼いてから食べるのが一般的です。先ほどのムオンさんは次のように話しました。
(テープ)
「かつては数か月も保存したのち食べる習慣がありました。それは漬ければ漬けるほど美味しくなるからです。長い間保存したければ、塩加減に注意しなければなりません。塩が少なければ、長い保存ができないのです。」
出来上がりの「魚の漬物」 |
かつては食品が足りなかったので、タイ族の人々は保存食品として「魚の漬物」を作りました。しかし、現在、この料理はタイ族の有名な特産品となっており、多くの観光客に買い求められています。中部ハティン省出身で長年ソンラ市に住んでいるチャン・ティ・ヒェプさんは次のように語りました。
(テープ)
「長年ここに住んでいるので、魚からできたいろいろなタイ族の料理を食べたことがあります。それぞれの料理は独特な味がありますが、その中で、「魚の漬物」を食べるとき、ティンや食用カンナの香りがしながら、魚の甘みを味わうことができ、一番好きです。」
西北部山岳地帯に足を運べば、「魚の漬物」を始め、魚から作られるタイ族の料理を是非味わってみてください。