(VOVWORLD) - この祭りはチャム族の伝統文化の保存だけでなく、地元の観光発展にも寄与していると評されています。
カ テ祭りはベトナム南中部ニントアン省とビントゥアン省に住む少数民族チャム族の最も重要な年中行事の一つです。今年のカテ祭りはチャム族の暦で7月1日から3日までに当たる陽暦10 月15日から17日にかけて行なわれました。この祭りはチャム族の伝統文化の保存だけでなく、地元の観光発展にも寄与していると評されています。
先祖へのお供え物の準備 |
伝説によりますと、チャンパ王国が崩壊した後、チャム族の財宝、中でもチャム族の王様や神様の衣装はラグライ族の人々に引き渡されました。毎年のチャム族の暦で6月末になると、ラグライ族の人々は、チャム族の王様や神様の衣装をチャム族の人々に返します。その翌日に、チャム族の人々はカテ祭りを開きます。
カ テ祭りが終わると、ポヌカイン女神の衣装はラグライ族に再び引き渡され、翌年の祭りまで保管されます。衣装を受け取る儀式はカテ祭りに欠くことのできない活動の一つです。これは、チャム族の宗教儀式であるのみならず、チャム族とラグライ族との緊密な関係に役立つものと見なされているからです。
カテ祭りで欠かせない生姜から作られたお菓子 |
ポ ヌカイン女神の衣装を受け取る儀式はカテ祭りの始まりです。この日は、どの家庭でも、山羊肉、鶏肉、もち米を用意して伝統的料理を作り、先祖とポヌカイン女神に供養します。その翌日にカテ祭りのメイン儀式はチャム族の神様を祀る塔で開かれます。
その後、家族全員が集まって家族団らんを楽しみます。その意味で、カテ祭りは、家族のつながりを強くするという効果もあると言えます。
ニントゥアン省ニンフォク県バウチュク村では、今年のカテ祭りの新しい点は、100人規模もの伝統的な舞踊が披露されたことです。これは、国の支援により、この村の集会所が建てられたことを祝うためです。地元の住民ダン・ティ・ランさんは、近年、国の支援により、新しい道路や学校が建てられており、住民の生活が著しく改善されていると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「バウチュク村の人々は、村の集会所が立派に建てられたことに喜んでいます。また、村の道路などもきれいになりました。私たちの舞踊チームはカテ祭りだけでなく、観光客が訪れてくれる時にも、披露します。」
チャム族の伝統的舞踊 |
今年は、新型コロナの他、自然災害が多発していることにより、地元の住民の生産活動が大きな影響を受けていますが、行政府の支援と住民の努力により、住民の生活が安定しており、カテ祭りが例年と同様行われました。ビントゥアン省ハムトゥアンバク県ハムフ村に住むチャム族の一人トン・ダットさんは次のように話しました。
(テープ)
「チャム族の人々は年齢を問わず、カテ祭りを楽しみました。新型コロナと自然災害があっても、チャム族はいつも、先祖の恩を忘れません。」
チャム族の居住地に足を運んでカテ祭りを楽しめば、チャム族の豊かな文化を体験することができるでしょう。