チャム族の新築祝い

ビンディン省バンカイン県に集中しているチャム族は雨乞いや新築祝い、村の守り神を祀る儀式などのいろいろな伝統行事を誇りにしています。その中で、新築祝いは最も重要な行事の一つです。この行事は家族はもちろん、村人全員が参加するからです。儀式で、村の祈祷師と村長は家主を代表してお供え物を神様に奉納し、その家主を始め、村人全員の健康や豊作を祈ります。

チャムの新築祝いには悪魔を追い払う魔よけのための木の存在が欠かせません。家の前に立てられる木の上部は、平穏な生活のシンボルである伝説上の鳥「クタン」の翼の形にしなければなりません。バンカイン県カインタイン村に暮らすディン・バン・リックさんは家を新しく建てたばかりで、新築祝いを行うことにしました。リックさんの話です。

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「私と妻は一生懸命働いて新しい家を建てられました。新築祝いのお供え物は鶏と豚です。豚の頭は祭壇に置かれますが、豚の体は、来てくださった村人に御馳走する宴席に使われます。村人はチャム族の伝統的な踊りを踊って、我が家に新築のお祝いを述べてくれました。これは我が民族の伝統文化の保存に役立つでしょう」

稲の神様を迎える儀式で披露されるバナ族の踊り

一方、ビンディン省ビンタイン県に集中しているバナ族にとって、収穫期の前に行われる稲の神様を迎える儀式は最も重要な行事の一つです。村全体だけでなく、それぞれの家族によって行われるこの儀式は豊作をもたらしてくれた稲の神様に感謝の気持ちを表すためです。儀式のお供え物は豚、鶏、お酒、青いもち米、ご飯などです。ビンタイン県の文化スポーツセンターのボ・ティ・ホン・リエン所長は次のように語りました。

（テープ）

「豊作になれば、稲の神様を迎える儀式を行い、これを祝います。このような儀式は少数民族の伝統文化を支えるものなので、なんとしてでも保たなければなりません。今後、少数民族の伝統文化の保存と観光開発を両立させる計画があります」

近年、ビンディン省は少数民族の伝統文化を保存するために、少数民族の文化祭を年中行事として行っています。先ごろ行われた第16回ビンディン省少数民族文化祭では、少数民族出身の職人やアーチスト合わせて600人以上が少数民族ならではの音楽や踊り、遊び、スポーツ、食文化などを披露しました。この文化祭は、地元の住民だけでなく、他の地方から来た多くの観光客を引き付けました。ビンディン省文化スポーツ観光局のタ・スアン・チャイン局長は次のように語りました。

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「少数民族の伝統文化の保存と観光開発を両立させるために、少数民族の多くが暮らしている所で少数民族の文芸や風俗習慣を紹介するイベントを行い、観光客を引き付けようと思います。これは、少数民族の伝統文化の保存と地元の人々の収入増に役立つと期待しています」

こうした取り組みにより、ビンディン省の少数民族の伝統文化は大切に保たれるとともに、地元の観光開発にも貢献するでしょう。