先週、ベトナムの最小民族5つのうちの一つであるブラオ(Brao)族の伝統的祭りをご紹介しましたが、今日のこの時間はそのブラオ族の独特の民族衣装をご紹介します。
中部高原地帯テーグエン地方に居住している他の少数民族と同じように、ブラオ族の民族衣装は手作りで、ブラオ族の手先の器用さや審美感を示しています。かつて、ブラオ族の衣装は体を自然の不利な影響から守る目的で、また非定住型生活に見合ったものとしていたため、シンプルなものでした。コントゥム省、ゴックホイ県、ボーイ村の幹部タオ・ロイさんは次のように語りました。
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「かつて、ブラオ族の人々は木の皮を使って、衣装を織りました。木の皮を叩いて、茹でてから衣装を織ったのです。今はそんな材料を使わず、ブラオ族発展プロジェクト担当者の手解きに従って、布を作ります。」
ブラオ族の男性と女性は夏に上半身は半裸ですが、男性は腰布、女性は巻きスカートを着用しましたが、冬には柔らかい布を体に巻きつけました。社会の発展に伴い、ブラオ族の服も改良されましたが、伝統色は保たれています。男性は縞模様のシャツを、女性は刺繍ブラウスを着用します。長年にわたり、テーグエン地方の各少数民族の衣装を研究してきたグエン・フオンさんは次のように話しました。
(テープ)
「男性の服につけられる模様は女性のと違っています。男性の服に矢や竹柵の垣根の模様が、女性には花や植物の模様が入れられます。また、女性は装身具をよくつけます。」
今も、ブラオ族の服は複雑かつ派手ではなく、シンプルで壮大な山と林に恵まれるテーグエン地方の土地柄と合っています。ブラオ族の民族衣装は男性の強健さ、また、女性の優美さを増します。ブラオ族の民族服は鳥の羽毛や象牙などから作られた装身具と組み合わせられ、独特の美しさを示しています。女性はブレスレットやネックレスをつけ、多くつければつけるほど、男性を魅了すると考えられています。
現在、ブラオ族は文明に接する機会が与えられたことから、服装が現代化されてきましたが、伝統文化は保存されています。コントゥム省民族委員会の幹部ダン・フンさんは次のように述べました。
(テープ)
「現在、ブラオ族の錦織復興プロジェクトが実施されています。この前、住民はラオスから錦の衣装を買って帰りましたが、今は自分自身で錦を織るのです。国家の援助により、これまで、ブラオ族の女性を対象とする4つの錦織研修会が開催されました。」
衣装は精神的価値を持ち、それぞれの民族の文化色を示し、ある民族を他の民族から
区別する特徴でもあります。ブラオ族の民族服は多様な文化を誇るテーグエン地方に住んでいる各少数民族の中でのブラオ族の存在感を際立たせることでしょう。