北西部白タイ族の儀式「キン・パン・テン」

(VOVWORLD) - キン・パン・テンは、ベトナム北西部に住む白タイ族の精神生活において重要な民間儀礼です。この儀式は、祈祷師の養子たちを祝う祭りとしても知られています。

(白タイ族の伝統音楽)

ソンラ、ライチャウ、ディエンビエンなどの北西部各省にある白タイ族の村々には、通常数人の祈祷師がいます。村人たちはこれらの祈祷師を「テン師」と呼んでいます。彼らは普段は農業を営む一般の人々ですが、祈祷の言葉や儀式の方法を習得し、天界(テン)から地上に遣わされた存在として、病気や災いから人々を救う役割を担っています。村人たちはテン師を深く信頼しています。

北西部白タイ族の儀式「キン・パン・テン」 - ảnh 1キン・パン・テン儀式

ライチャウ省タンウエン県ムオンカン村のロー・バン・ソイさんによりますと、テン師は祈祷師としての活動を通じて病気や災いから救った人々を「養子」として受け入れるとのことです。

(テープ)

「最低でも20〜30人以上の養子を持つテン師になってはじめて『テン・キン・パン』と呼ばれる儀式を行うことができます。これはこの儀式を行うために必要な人数なのです。通常、この儀式は3年周期で行われます」

ディエンビエン省ディエンビエンフー市タンチュオン地区のマオ・バン・エットさんは、現代医学の発展により多くの人が病気の際に病院を訪れるようになりましたが、精神的な安らぎを得るために村人たちは今でもテン師に儀式を依頼すると語ります。これがタイ族のキン・パン・テン祭を維持・保存する重要な役割を果たしています。

(テープ)

「テン師は主に精神的な方法で病気を治しますが、現代では医療機関の普及により、その役割は減少しています。しかし現在、テン師の活動には二つの柱があります。主な柱は『キン・パン・テン』と呼ばれる祭りの開催です。この祭りは『バン』という花が咲く春に年に一度開かれ、コミュニティ全体が集まって喜びを分かち合います。儀式の部分はテン師たちが担当しますが、祭りの部分は各村から集まる芸能団や人々によって行われます」

北西部白タイ族の儀式「キン・パン・テン」 - ảnh 2

ディエンビエン省ムオンチャー県のコアン・バン・ジョンさんによりますと、家庭や村での儀式は、旧正月が終わった後の旧暦8日から10日頃に豊作祈願として行われます。養子たちは儀式に参加し、その後彼らの魂を招いて食事や踊りを共にします。参加者はそれぞれ鶏一羽や酒一本を持参し、線香をあげて家庭の平和を祈ります。

儀式の準備として、テン師の祭壇は花、色紙、カラフルな布で美しく飾られます。供物には豚、鶏、酒、水、線香、花、様々な種類の餅や果物が欠かせません。3階段状の祭壇には、各段に異なる神々への供物が並べられます。ディエンビエン省トゥアチュア県ムオンバン村のマオ・バン・ティン氏は次のように説明します。

(テープ)

「一番上の段は祈祷師と神々のためのものです。2段目も神々のためですが、特に豚の頭と鶏一羽を神々に捧げます。1段目は天と地の神のためです。最下部には天地に祈り、神々に食物を供え、その守護を願います。また下の盆には卵が2つ置かれ、祈祷師の魂を呼び戻し、酒、卵、果物などを振る舞います」

儀式では、白タイ族の伝統的な民謡「テン」に似た歌が歌われ、笛や、ティンという弦楽器、鈴の音色と組み合わされます。歌詞を通じて、テン師は新年に村人たちが健康で豊かな生活を送れるよう、気候が順調で作物が豊かであるよう祈り、また子供たちから親への感謝の気持ちも表されます。

儀式の後には、民俗遊戯、踊り、歌などで明るく活気のある祭りが続きます。この祭りの特徴は、白タイ族の伝統的な民謡「テン」の美しい旋律と独特の歌詞にあります。これらは参加者に深い感動を与え、民族の伝統に対する誇りを高め、子孫が先祖やルーツを思い出す機会となっています。

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