ベトナム水産物の輸出に対するEVFTAの前向きな影響
(VOVWORLD) - 8月1日はEVFTA =EU欧州連合とベトナムの自由貿易協定が発効されてからちょうど1年となる日でした。この1年間、水産部門をはじめ、ベトナムの多くの部門はEVFTAのメリットを効果的に活用してきました。
VASEP=ベトナム水産物加工輸出協会によりますと、今年上半期、EU市場向けのベトナムの水産物の輸出額は4億8600万ドルを超え、昨年同期と比べ、20%増となりました。その中で漁獲された水産物の輸出額は24%増にあたる1億5400万ドル、養殖水産物の輸出額は18%増にあたる3億3300万ドルとなっています。これにより、EUはベトナムの水産物輸出先の中でアメリカ、日本、中国に次いで第4位に立っています。商工省・多国間貿易政策局のルオン・ホアン・タイ局長は次のように語りました。
(テープ)
「水産は付加価値が高く、輸出構造の転換に貢献する部門となっています。今年上半期、EVFTAにより行われた水産物の輸出はEU向けのベトナムの輸出総額の70%を占めています。これは他の協定と比べ、高い数字だと思います。」
ホアイ・ナム副事務局長 |
一方、VASEPのグエン・ホアイ・ナム副事務局長は欧州連合がベトナムのIUU=「違法・無報告・無規制漁業」に対する対応が十分ではないとして、適用しているイエローカードが解除されないままで、新型コロナが世界的に大流行している中でもEVFTAの活用により、EU向けのベトナムの水産物の輸出額は急増していると明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「EVFTAの影響が大きいのは明らかです。エビやマグロ、イカなど我々の主力輸出品目は0%の税率を享受しています。これはイエローカードが適用され、新型コロナが蔓延している中で、水産物の輸出にプラス影響を与えるものです。」
このように語ったナム氏はEVFTAにより、ベトナムの水産部門は競争上の優位性を確立してきたと強調し、次のように語りました。
(テープ)
「水産部門は他の部門と違って1998年に国際参入に踏み切りました。当時、デンマークの支援を受け、私たちの企業は適正な投資を行った結果、1999年に欧州への輸出を許可されました。それ以来、欧州への輸出が許可された企業の数は急増し、19社から600社にのぼっています。EVFTAはベトナム企業界によい基盤を作り出しています。」
今後もEVFTAの恩恵を受け、ベトナムの水産物輸出企業は大きな伸びを見せ、経済的価値の向上や国際市場における水産物の地位の確立、輸出市場の拡大が図られるでしょう。