ビントゥアン省の観光業は、新型コロナウイルス感染症が抑制された後、力強く回復し、成長を遂げました。「ビントゥアン省、緑の集い」をテーマとした2023年の国家観光年の諸活動に加え、ファンティエット～ザウザイ、及びヴィンハオ～ファンティエットという2本の高速道路が開通したことは、ビントゥアン省の観光業の飛躍的な成長を後押ししました。ビントゥアン省を訪問した観光客の数は、2022年には、延べ570万人でしたが、2023年にはその数はほぼ倍増し、延べ968万人に上ったということです。

ビントゥアン省は、豊かな観光資源に加え、長い海岸線、きめ細かい白い砂浜、透き通った青い海、温暖な気候など、多くの有利な条件を備えており、国内外の投資家を魅了しています。現在までに、省内では380件のリゾート観光投資プロジェクトが実施されており、そのうち193件が既に稼働しています。DKRAベトナムのプロジェクト開発サービス・コンサルティング担当ディレクターであるボー・ホン・タン氏によりますと、同省は観光において多くの優位性を持っている一方、同省を通過する高速道路や、建設が急ピッチで進められているロンタン空港も、重要な相乗効果をもたらす要因であるとのことです。

ビン・トゥアン省ホーチミン博物館分館を訪れる外国人観光客

タン氏は次のように明らかにしました。

(テープ) 「これは、ビントゥアン省が観光客や投資家を惹きつけ、不動産から工業に至るまで、幅広い分野への投資を検討するための大きな利点の一つです。さらに、ビントゥアン省マスタープランが公表されたことにより、投資家はより明確な方向性を得ることができ、それにより、この地方の価値とニーズを明確に把握し、投資決定に至ることができるようになります」

ビントゥアン省は観光業を飛躍的に発展させ、国際水準に到達させるため、娯楽・飲食複合施設の開発に重点を置くとともに、企業間の貿易連携と協力を強化する方針です。チャン・ズー・リック博士は、ビントゥアン省が南部地域で第1位の観光地となるためには、より強力な広報戦略が必要であると指摘し、次のように述べました。

(テープ) 

「ビントゥアン省は、大市場であるホーチミン市に隣接する利点があると同時に、観光開発の大きな潜在力に恵まれています。ですので、同省は、地域総生産の成長率を高めるため、観光成長の柱となるような飛躍的な発展が必要です。ビントゥアン省は、『ビン・トゥアンはアジアの目的地、グローバルなビジョン』というスローガンを大胆に掲げるべきです」

このような方針を実現するため、ビントゥアン省は世界的なコンサルティングファームであるMcKマッキンゼー・アンド・カンパニーと共同で観光開発計画などを策定しました。現在、ビントゥアン省では、ノバワールドのビーチ・エンターテイメントパークやワンダーランドのウォーターパークなど、いくつかの新しい観光商品や観光スポットが形成されています。これらは観光商品の多様化に貢献し、観光客の誘致に繋がっています。

2050年を見据えた2021年～2030年までのビントゥアン省マスタープランの公表式で、チャン・ホン・ハ副首相は、観光業が主要な経済部門となり、ビントゥアン省を遺産ルート上の魅力的な目的地にすると明言しました。同省の観光商品は、特に海洋スポーツ探検、ヘルスケア、リゾートを組み合わせた海洋観光を中心に、4つの主要なグループに焦点を当てる必要があると提案し、次のように述べました。

(テープ)

「ビントゥアン省は、相互に支援し合う分野が調和的に組み合わさっており、観光地としての選択肢を十分に持ち合わせています。具体的には、リゾート開発、医療・ヘルスケア、スポーツ、海洋観光などが挙げられます。特に、ビントゥアン省の文化資源は非常に特別なインスピレーションの源であり、ここでは海洋生態観光、森林生態観光、そして少数民族の独特な文化と結びついた保存活動について言及したいと思います」

ビントゥアン省は、年間を通じて観光活動に適した気候と、包括的な交通インフラへの投資により、「観光の楽園」となる条件を十分に満たしています。観光開発は、ビントゥアン省を「住みやすい場所」とするだけでなく、新時代における同省の飛躍的な成長の重要な原動力であり、南中部沿岸地域の活気ある経済成長の極となるはずです。