現在、ベトナムの25の地方で145か所のコンテナ港が活動しています。港湾で取り扱われる貨物量が多いにもかかわらず、あらゆる操作は手動で行われたので、港湾システムの管理と開発が難航していました。従来、国内で開発されるテクノロジーソリューションがなかったため、港湾は数百万ドルにのぼる外国のソリューションを購入せざるを得ませんでした。また、年間のメンテナンス・アップグレード費用や人件費などもかかります。メンテナンスだけで年平均およそ350万ドルをかける港湾があります。こうした事情を踏まえ、ベトナムのデジタル企業は適切なソリューションの開発に取り組んできました。

スマート・ロジスティックス・ソリューションとはオンラインプラットフォームに基づく港湾の運営プロセスのデジタル化です。このソリューションは関連ユニット間の相互作用と情報検索の改善に役立ちます。また、スマート・ロジスティックス・ソリューションは異なるソフトウェアの代わりに港湾の運営プロセスに完全なプラットフォームを提供するもので、AI＝人工知能が統合され、プロセスの最適化や処理時間の短縮を目指しています。港湾用のデジタル･ソリューション開発企業アドバンテック グローバル ベトナムのチャン･キエン副社長は次のように明らかにしました。

（テープ）

「我が社はスマートポートモデル向けのソリューションを開発し、その中には寄港・出港の管理やコンテナの配置、クレーンの操作、倉庫の管理、冷凍倉庫、埠頭の使用、スマートポートシステム内のワイファイ接続などに関するモジュールなどが含まれています。現在、それぞれの港湾には独自のソフトウェアが購入され、貨物の管理や港湾の運営が円滑化されるようになりました」

一方、スマートハブ・ロジスティックス･テクノロジー企業はエコシステムを開発し、港湾運送業の包括的なデジタルトランスフォーメーションのニーズに応えました。この前、ポート通過のため、コンテナを直接認証するには 5 ～ 8 分かかりましたが、現在、港湾のデジタル化ソリューションにより、QR スキャンだけで、 AI テクノロジーによる認証は3 秒しかかかりません。また、スマート・ロジスティックス・ソリューションは船舶に積み上げられるコンテナの認証や情報の保存・検察などを効率化しています。以前、規定に基づき、書類が5年間保管する必要がありましたが、現在、スマートハブの導入により、企業のサーバーまたはクラウド・コンピューティング上のストレージには、多くの利便性があり、コストが低く、クエリを即時に実行することができるようになりました。

 港湾システム、およびロジスティックスサービスはベトナム経済開発で重要な役割をになっています。これまで港湾の開発、中でもデジタルトランスフォーメーションに対する投資の促進が港湾のロジスティックスサービスへの外国投資の誘致や世界的な経済課題への対応に役立ち、マクロ経済の安定確保に貢献してきたとしています。国際総合物流企業「JASグループ」のマルチェロ・ピアザ最高経営責任者は次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムのロジスティックス産業は経済成長につれ、順調に発展しています。ですから、ベトナムのロジスティックス市場は我が社やほかの多国籍企業を含め、外国の投資家の注目を集めています。ベトナムの競争力は情報技術やインフラ整備への投資促進を目指す新たなアイディアに富んだ若い企業の能動性にあります。これらの要素はベトナムに進出しようとする外国人投資家に安心感を与えています」

質の高い港湾のインフラ整備や港湾の活動の効率化が経済開発戦略、特に輸出大国の成功を左右する前提条件と見なされています。ベトナムでは港湾のデジタル化は工業化近代化事業の要件を満たす必然的な要素となっています。国内のデジタル企業は「メイクINベトナム」精神に従って、港湾のロジスティックスエコシステムや管理・運営、オンライン決済に関するデジタルソリューションを開発・提供することはベトナムの海事産業の発展、および持続可能な国際統合に動機づけを与えるものと期待されています。