カントー市の米煎餅作り、国の無形文化遺産に認定される
(VOVWORLD) -カントー市の中心地からおよそ40キロ離れた所にあるトットノット区に位置する米煎餅作りのトアンフン村は、200年余りの歴史を誇っています。
ベトナム風の米煎餅「バインダー(Bánh đa)」は直径50センチほどの大きさもあり、すり潰したコメの生地に、黒ごまをふりかけて、天日干しにしてつくる食べ物です。炭火で焼いて、焼けた部分を白く膨らませてから、食べることができます。
有名な煎餅の産地はベトナム全土にいくつかありますが、南部カントー市トアンフン村の米煎餅作りは、文化スポーツ観光省によって国の無形文化遺産に認定されています。カントー市の中心地からおよそ40キロ離れた所にあるトットノット区に位置する米煎餅作りのトアンフン村は、200年余りの歴史を誇っています。
「ティ・トー」と名付けた米煎餅工房の主人であるチャン・タン・タムさんは、米煎餅の作り方について次のように語りました。
(テープ)
「煎餅はコメを主要原料とするものです。煎餅の美味しさを保るため、米を水できれいに洗ってから石臼などで水を加えて粉砕し、生地をつくります。次は、ココナッツミルクを作り米粉に混ぜます。そして胡麻を炒ります。煎餅づくりに使うなべにお湯をたっぷり入れ、鍋の口の部分に丈夫な布をぴんと張っておきます。この布の表面上に生地を流しこみ、薄く、丸くのばして、ふたをして蒸気で5分間蒸します。仕上げにごまをかけてさらに5分ほど蒸します。その生地を竹で編んだ網の上に広げて日光に当て、乾燥させます」
現在、トアンフン村では、100あまりの世帯が米煎餅作りに従事しています。殆どの世帯は、煎餅作りの工程を手作業で行っています。しかし一部の世帯は、先進的な機械を導入しており、手間はかかりません。それにより生産性と収益は高まっています。さらに多くの消費者に米煎餅を知ってもらうため、米煎餅工房主は、国内の飲食文化イベントに参加しました。ハー・ティ・サウさん一家は、約30年間にわたって米煎餅作りに従事しています。
サウさんは次のように語っています。
(テープ)
「私は2015年以来、毎年カントー市での『伝統餅菓子祭り』に参加しました。このイベントに参加して、来場者に米煎餅の作り方を披露しながら、米煎餅を売るのはとても楽しいです。こうしたイベントに参加することにより、私たちが作った米煎餅は幅広く知られるようになっています」
実際、トアンフン村の米煎餅は、国内だけでなく、カンボジアでも消費されています。米煎餅作りは、生産業者に高い収入を与えるのみならず、多くの村人の就労に繋がっています。カントー市文化スポーツ観光局のダオ・タイン・トウイ副局長によりますと、トアンフン村における米煎餅作りという伝統的な職業が国の無形文化遺産の認定を受けたことは、カントー市にとってはじめてのケースです。この間、この伝統手工業は、多くの人の雇用創出に役立つと同時に、地元のユニークな観光商品の一つとして、観光経済発展にも貢献しています。
トウイ副局長は次のように語りました。
(テープ)
「今後も、カントー市文化スポーツ観光局は、関連機関と連携して、現地にある伝統的手工業村の文化価値の保存と開発を推進する計画です。同時に、社会経済開発を目指して、これらの伝統的手工業村の宣伝・啓蒙を行います」
トアンフン村の米煎餅は毎日のように全国各地に出荷されています。地元の米煎餅作りの手工業がさらに発展するよう引き続き期待しましょう。