北部ソンラ省ムオンラ県ゴックチエン村の籐・竹細工の工芸はいつから始まったのかはっきり知られていませんが、村人たちは今も先祖代々伝わるこの伝統工芸の維持と発展に尽力しています。特に、ゴックチエン村が魅力的な観光スポットとして知られるようになってから、村人が作った籐・竹細工の工芸品は地元の伝統工芸品となりつつあります。

山間部にあるゴックチエン村を訪れると、家の軒下に座って、籐や竹を編んでいる姿を目にすることが出来ます。手先が器用な職人たちは、籐や竹の細いひごを編んで、背負い籠や、椅子、小物入れなどの日常生活に欠かせない道具を作っています。

籐・竹の細工をする仕事は、原料選びから、切る、割る、編むの全ての工程に職人の手先の器用さと勤勉さが求められます。背負い籠、小物入れを作るためには丸1日、お盆、椅子を完成させるのに4日～5日間もかかるそうです。

ゴックチエン村のある職人は次のように明らかにしました。

(テープ)

「私たち夫婦は籐の椅子、竹の背負い籠を編んでいます。毎月、約20個の背負い籠を作っています。背負い籠は1個につき13万ドンないし14万ドンの値段で販売されます。この籠は、主にトウモロコシを入れるものですから、トウモロコシの収穫期になると、販売価格が上がりますよ。そのお陰で我が家の収入はかなり安定しています」

籐・竹細工はゴックチエン村の住民たちの主要な産業となっています。70歳を超えるお爺さん、お婆さんもこの仕事を続けているほか、10歳以上の子供は籐・竹を上手に編むことができます。それは、地元の伝統工芸が代々受け継がれ、保存、開発するのに役立っています。

村人の一人は次のように語りました。

(テープ)

「先祖代々の仕事をするのは、伝統工芸を守ることのほか、収入を得られるからです。将来的には子どもと孫にもこの職業を伝えたいと思っています」

現在、ゴックチエン村では300世帯が籐・竹細工に従事しています。行政当局は、この伝統工芸の維持と発展のために、多くの対策を講じています。例えば、高齢の職人が若者に技術支援を行ったり、籐・竹の工芸品を地元特産の伝統工芸品にするということです。

ゴックチエン村党委員会のブイ・ティエン・シー委員長は次のように語りました。

(テープ)

「籐・竹細工は、ゴックチエン村独自の手工業の一つです。この工芸の維持は、先祖代々の文化の保存と、地元の特産品づくりに貢献しています。私たちは、籐・竹細工協同組合を設立する方針です。そして、この村を訪れる観光客が籐・竹細工の製造工程を見学したり、美しい籐・竹工芸品を楽しめるように体験ツアーを行います。これにより、地元住民に収入がもたらされるからです」

籐・竹製品が日常生活に今も存在していることは、伝統工芸の維持と発展に取り組むゴックチエン村の住民たちの熱意を示す証となっています。