(VOVWORLD) -この数年間、南部ティエンザン省で暮らす農民たちは、レモングラスの栽培のお陰で、貧困状態から脱出し、安定した生活が送られるようになっています。
およそ20年間にわたって、タンフドン県では、ミョウバンが混じった塩分濃度の高い土壌にレモングラスが栽培されています。現在、同県全体で、レモングラス栽培面積は2300ヘクタールにのぼっています。この地域で栽培されるレモングラスは、他の場所で栽培されるものと比べ、品質が高く、収穫量も多いと言われています。レモングラスの年平均売上高は1ヘクタール当たり約1億ドン、53万円程になり、稲作と比べ2∼3倍高くなっています。
フータン村に住むトゥイさん一家は2ヘクタールのレモングラスを栽培しており、以前より生活が安定するようになったと明らかにし、次のように語りました。
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「現在、レモングラスは1キロ当たり6000ドンの高い値段で販売されています。以前と比べ何倍にも値上がったので収益が増えていますよ。我が家は、以前、バナナ、野菜を栽培していましたが、レモングラスの方が経済的価値が高く、お陰で生活はかなり安定しています」
レモングラスの栽培は、他の農産物と比較し、乾季でも成長し、コストが低く、一年を通して収穫できるというメリットがあります。また、レモングラスは調味料やオイル、薬剤などに用いられ、人々の生活に大きく役立っています。
フータン村党委員会のグエン・バン・ドアン委員長は次のように明らかにしました。
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「現在、レモングラスは地元の主力農産物となっています。私たちは、レモングラスの持続可能な開発を目指しています。そこで、農民たちに対し、食品安全、労働環境、環境保全に配慮したベトナム、ひいては国際基準に則ったレモングラスの栽培を奨励しています」
これまでに、フータン村は1800ヘクタールのレモングラス栽培面積を擁しており、レモングラス協同組合を設立しています。タンフドン県行政当局は、レモングラスを主力農産物の一つと見なし、レモングラスの商標登録を目指してクリーン農業有機生産に集中しています。
同県の農業農村開発室のグエン・バン・ハイ室長は次のように語りました。
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「私たちは、2022年中に、レモングラスの栽培面積を4000ヘクタールに拡張する予定です。つまり、経済的価値が低い作物の代わりにレモングラスを栽培します。そのほか、レモングラス協同組合は、レモングラスオイルの生産企業などと連携して、農民のレモングラスを買い付けます」
タンフドン県の土地は元々作物の育成に不向きな土地でした。しかし、レモングラスはこの不毛な土壌でも、順調に成長します。そこで、現地の行政当局がレモングラスの栽培面積を拡張するのは正しい方針です。レモングラスの栽培は、現地住民の雇用創出、生活改善に貢献するはずです。