今年、ベトナムはディエンビェンフー作戦勝利60周年を記念していますが、この数ヶ月間、ベトナム北西部にあるディエンビェン省は国内外の注目を集めています。それは今から60年前、この土地でフランス植民地主義者のベトナム支配に終止符を打つことになったディエンビェンフーの戦いが行われた場所であるだけでなく、現在この土地は大きく様(さま)変わりているからです。
60年前のディエンビェンフー作戦の勝利は、古くからこの土地に住む少数民族タイ族、モン族の生活に新しいページを切り開きました。今日、ディエンビェン省を訪れるならば、昔の戦場にある戦車の残骸や有刺鉄線のそばに建てられた立派な建物を見かけることでしょう。
中部タインホア省トゥスアン県に住む83歳のレバンラン( Le Van Lan) さんは今年の5月、かつてのディエンビェンフー作戦の戦場を再び訪れた際、昔の戦場の変貌を目撃し驚きました。ランさんの話です。
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「ディエンビェン省を訪れるのは今回で2回目ですが、初回と比べ感激しました。国を解放するため命を捧げた英雄戦没者の恩をいつまでも忘れることができません。前回と比べると、今回はディエンビェン省の遺跡がきちんと改修・保存されています。この町は前と比べて変貌してきました」
60年前にディエンビェンフー作戦に参戦した経験があるディエンビェンフー市内タンタイン地区に住むファム・バ・ミエウ( Pham Ba Mieu)さんは今日のディエンビェンフー市の変貌を目撃でき、誇りに思っています。ディエンビェンフー作戦に参戦してから、ディエンビェンフー市内に留まり、地元の住民と共に、この土地の再建に取り組んできました。ミエウは今も再建事業の当初の困難を忘れることはできません、と語るミエウさんの話です。
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「その時の生活は非常に大変でした。道もなく、各村に行く時は、ご飯と薬を持ち歩かなければなりませんでした。しかし、今日の生活は一変し、誰もが豊かな生活を送れるようになりました。ディエンビェン省の僻地だったムオンテ県でさえも集落まで自動車道路ができたんです」
これまで政府は、ディエンビェン省で困難に直面している少数民族の人々への農地と居住地、生活用水の支援プログラムを実施してきました。ディエンビェン省ムオンファン村に住むロ・ティ・セ( Lo Thi Se)さんは次のように語りました。
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「今日の村の生活はだいぶ楽になりました。電灯に照らされ、浄水がそれぞれの家まで引かれています。食事には肉や魚が十分にあり、空腹の心配はありません。昔の生活はとても困難で、食べ物も着るものさえありませんでした」
共産党と政府の投資のかたわら、地元の住民も生活水準の改善に絶え間なく取り組んで来ました。現在、ディエンビェン省の貧困世帯の割合は35%止まり、2011年から2013年までのGDP国内総生産の成長率は9,6%にのぼりました。交通インフラの改修、電気を利用できる世帯の割合が76%に達しました。ディエンビェン省は2015年をめどに、貧困率は15%以下に抑えるため取り組んでいます。
この目標の実現を目指す対策について、ディエンビェン省人民委員会のファム・スアン・コイ副委員長は次のように語りました。
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「貧困解消はディエンビェン省の今後の重点的任務として位置づけられます。私たちは貧困の原因を究明する一方、貧困状態から脱出することに関する自らの責任を地元の住民に宣伝教育します。その他、各村や町などの指導部の業務能力向上を重視する必要があります。」
ディエンビェン省がこれまでに達成した成果は、この歴史的な地名の土地が今後も貧困解消事業を強化し、北西地域に経済発展が行き渡る地方になる基礎となることでしょう。