(VOVWORLD) -北部ハザン(HaGiang)省クアンバ(QuanBa)県カンティ(CanTy)村は、亜麻の栽培と手織りという伝統的職業があります。山間部に住む女性たちが手作業で織った織り物は、衣類や、スカーフ、サイフ、バッグなど様々な種類があります。
カンティ村は、270世帯だけの小さな村です。村人の全てはモン族です。現地住民たちは、農作業の傍ら、農閑期になると、手織り作業に従事します。手織り布の素材は、地元で栽培される亜麻の靱皮から採った繊維です。亜麻はアマ科の一年草ですが、約1メートルほどの高さあり、葉は小さく、線形で互生する植物です。夏、青紫色または白色の5弁花を開き、果実は丸く、中に長楕円形で平たい黄褐色の種子がありますが、種子から亜麻仁油を絞り、茎から繊維をとります。
モン族の習慣では、モン族の女性は、結婚前に、自分でウェディングドレスを作れるために、裁縫が上手でなければなりません。ですから、モン族の女性たちは、祖母や母親から、手織りや、刺繍、縫い方などを教わります。手織り職人の話です。
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「先輩の織り子は、後の世代に織り方を伝えるという習慣があります。このことは、モン族の手織りの保存に寄与しますね。モン族の習慣では、両親は子どもが結婚する時に、その子に手織布で作った2枚の服をあげます。また、死後に、先祖に出会えるように、亡くなった親戚に3枚の服を着させるという理由からです。」
2011年、カンティ村手織り生産協同組合が設立され、現地住民の仕事斡旋に大きく寄与しています。組合員の話です。
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「現在、カンティ村手織り生産協同組合には12世帯が参加しています。私たちは服や、シャツ、バッグ、布団、ストールなど様々な種類の製品を作る一方、若い女性に織り方を伝えます。手織りの工程では、器用さと繊細さが求められています。」
カンティ村の職人たちが作られた伝統的文様と色使いが美しく肌触りの良い手織り布製品は、この地を訪れる観光客にとって良い贈物の一つとされています。
先ほどの手織り職人は次のように語っています。
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「手織り布の模様の独特なのは、蜂の巣で描いた物です。蜂蜜を綺麗に採った後の巣を熱し溶かして、模様のインクにします。当初は、自分の為に、手織りをして、衣類を作りました。その後、観光客も手織り布製品が好きだということがわかり、売る目的で作りました。」
クアンバ県カンティ村に住むモン族の人々は、伝統的な手織りを守り、発展に寄与することでしょう。