アメリカとキューバとの関係をめぐる問題

 
(VOVWORLD) - 先週末、アメリカのトランプ大統領は、キューバに関して国家非常事態の更新・継続と自国の船舶のキューバへの入港規制の継続に関する宣言を発表しました。これは、アメリカ・キューバ関係にマイナス影響を与えるものと批判されています。

アメリカ上院議員団は2月19日から21日まで、キューバを訪問しましたが、わずか3日後、トランプ大統領はこの決定を出しました。

これによりますと、アメリカ船籍の船舶が許可なしでキューバの領海に入ることは国家の政策に逆行する違法行為とされます。この宣言は、1996年や、2004年、2016年に発布された同様の措置にも触れています。

親善を欠く政策

この宣言は、アメリカ・キューバ関係の緊張がまだ無くなっていないことを示すものです。実際、2017年11月から、両国関係は悪化し始めました。当時、国連総会は、キューバが提出した「アメリカのキューバ経済、ビジネス、金融に対する封鎖解除の必要性」と題する決議案について投票を行い、加盟国193か国のうち、アメリカとイスラエル以外の191か国の賛成で採択しましたが、1週間後、トランプ政権は対キューバ制裁の強化策を発表しました。

また、アメリカ国務省はキューバの首都ハバナ駐在のアメリカ外交官24人が「音響攻撃」の被害を受けたと主張しましたが、これに対し、キューバ側は「学問的空想」として反発しました。さらに、昨年10月初めに、アメリカ側はキューバ政府に対し、在アメリカ大使館の職員15人を7日以内に国外退去させるよう求めました。

特に、同年6月中旬、トランプ大統領は自国民のキューバ渡航規制を強化し、キューバ軍が支配下におく企業と自国企業の取引を制限する事を決定しました。これらの措置は、アメリカの対キューバ政策が善意を欠くことを示すものといえます。

暗い将来

こうした中、アメリカ上院議員団は2月19日から21日の日程で、キューバを訪問しました。この訪問は両国関係の改善に役立つと期待されました。訪問期間中、航海安全保障や、救難・捜索、麻薬・人身売買・違法移住防止対策など複数の問題が討議されました。また、アメリカ外交官への「音響攻撃」という告発も触れられました。

しかし、この訪問の結果や、両国関係への影響など世論が期待する内容は公になりませんでした。訪問終了前に予定されていた同代表団の記者会見に関する情報も報じられませんでした。これらの動きからみれば、この訪問は期待通りの結果を収めず、そして、両国関係の改善の展望がまだ開けていないといえます。

オバマ政権の末期において、アメリカ・キューバ関係は暖かになったことがありますが、トランプ大統領の強固な政策は、これを逆転させています。したがって、今後も両国関係が多くの浮き沈みを経ていくのは間違いないでしょう。

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