(VOVWORLD) - 11日、アゼルバイジャンの首都バクーで第29回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP29)が開催されました。COP29に参加したベトナムは、気候資金に関する目標を確実に達成し、年次報告書を通じて収入源や支出を透明化する必要があるという先進国の立場に対し、支持を表明しました。また、ベトナムは、適応策と緩和策への支出のバランスを取る必要性を提案しました。
10月21日午前の国会で、2024年の社会経済発展計画の実施状況と2025年の社会経済発展計画案に関する報告で、ファム・ミン・チン首相は、政府がメコンデルタ地域や中部を中心に気候変動対策のための資源を動員したと明らかにしました。2023年には、メコンデルタ地域の土砂崩れ対策に1億7000万ドル以上を配分し、およそ25億ドルの海外からの借款によるメコンデルタ地域の持続可能な開発プロジェクト16件の実施を加速させてきました。同時に、グリーン開発、気候変動対策、排出削減、エネルギー転換のための行動計画を実施しています。
グリーン経済への移行
ベトナムは気候変動対策を優先的に取り組む国の一つとして、2012年に国家グリーン成長戦略(VGGS)及び国家グリーン成長行動計画(GGAP)を策定しました。これらの文書は、開発、経済再構築、グリーン経済への移行に関するベトナム政府のコミットメントを実現するための具体的な目標を定め、包括的で持続可能な成長を確保するものです。また、ベトナムは2025年にカーボン市場の試験運用を開始し、2028年に正式運用を開始することを目標としています。
去る5月、ファム・ミン・チン首相は国が決定する貢献(NDC)を実施するためのカーボンクレジット管理強化に関する指示第13号に署名しました。また、関係機関に対し、カーボンクレジットに関する国家登録システムの確立、温室効果ガス排出削減プログラムやプロジェクトの管理、国内カーボン市場の試験的展開と開発、国際取引のためのカーボンクレジットの創出に向けた研究を指示しました。同時に、ベトナムにおけるカーボン市場開発計画の早期完成も求めています。
専門家によりますと、ベトナムはカーボン市場の開設で大きな潜在力に恵まれ、温室効果ガスの削減と除去において多くの利点を有しています。これは、ベトナムがグローバルなグリーンバリューチェーンにおける地位を確立するカギとなっています。国民経済大学・国際経済商業研究所の上級講師であるグエン・トゥオン・ラン准教授は次のように語りました。
(テープ)
「カーボンクレジット市場の開発は、2050年までのネットゼロ排出の達成と、この分野におけるベトナムの優位性を活用する上で非常に重要なステップだと考えています。もし、この市場の開発が遅れれば、機会を逃すことになり、その後、取り戻すための機会費用はさらに大きくなるでしょう。一方、この市場を開発することができれば、より効果的に資源を動員し、ベトナムの市場を他国と結びつけることができます。そして、行政命令ではなく、市場メカニズムを通じてネットゼロ排出の達成プロセスを運営することができます。」
ベトナムのCOP29への貢献
資源環境省・気候変動局の副局長で、ベトナム交渉作業部会のファム・ヴァン・タン副会長によりますと、COP29の主要スローガンは「緑の世界のための団結」と「野心を高め、行動を促す」です。最初のスローガンは、各国が温室効果ガス排出削減と資金提供の両面で約束を確実に実行し、共通の目標に向けて団結する必要性を強調しています。二つ目のスローガンは、第一回グローバル・ストックテイクの結果に基づいています。評価によりますと、すべての排出削減の約束が達成されても、世界の気温上昇は2.4~2.7度になり、パリ協定の2度に抑え、1.5度を目指すという目標を大きく超えることが示されています。そのため、各国はパリ協定の目標に沿って「野心を高め」、約束を現実のものとするために「行動を促す」必要があります。タン氏は次のように語りました。
(テープ)
「気候変動適応のための資源はわずか5%程度です。それで、ベトナムは、気候変動対策と気候変動適応のための資源を増やすというもう一つの要求を出しました。適応のための資源は、温室効果ガス排出削減のための資源と同等でなければなりません」
チン首相は、「言ったことは実行し、約束したことは履行する」と繰り返して強調し、各国に対して行動を呼びかけ、国が決定する貢献(NDC)の目標を達成し、次の段階の目標を引き上げるよう求めています。また、世界各国はこれまでの気候変動適応への取り組みで、気候変動問題における国連の全体的な調整役を通じて、連帯を強化していくよう望んでいます。