イギリスのEUからの離脱


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(写真:TTXVN)

イギリスのEU=欧州連合からの離脱の賛否を問う国民投票は、23日投票が行われ、即日開票されました。イギリスの選挙管理委員会によりますと、「離脱」が1741万742票で51.9%、「残留」が1614万1241票で48.1%と離脱の票が過半数を占め離脱派が勝利しました。離脱を訴えてきたイギリス独立党のファラージュ党首は、これに先立って支持者を前に演説し、「イギリス独立の夜明けだ。6月23日はわれわれの独立記念日になるだろう」と述べました。

ブレグジットの当面の影響

24日のヨーロッパの主な株式市場では、イギリスの国民投票で離脱派が勝利したことで、全面安の展開となっていて、スペインのマドリード市場で株価指数が16%以上下落して取り引きが始まるなど各地で株価が急落しています。主な市場の株価指数は、マドリード市場で16%以上、下落して取り引きが始まったのをはじめ、パリで10%以上、フランクフルトで10%近く、ロンドンでも8%以上、下落するなど各地で株価が急落して取り引きが始まりました。

日本では6月24日に円相場が一時1ドル=99円台と、2013年11月以来、約2年7カ月ぶりに1ドル=100円を突破する円高水準となりました。また、日経平均株価の終値は前日比で1286円安の1万4952円02銭と、1年8カ月ぶりの安値を付けました。
市場関係者は「世界経済の懸念材料となっていた国民投票でのEU離脱派の勝利が現実のものとなり動揺が広がっている。市場では、国民投票の直前、残留派が優勢だという見方が広がっていた分、離脱派勝利の衝撃は大きく、売りが売りを呼ぶ展開となっている」と話しています。

 EU離脱の利害

イギリスがEUを離脱することにより、イギリス経済は「深刻なショック」に見舞われ、約100万人の雇用が失われる恐れがあるという予測が出ました。この報告書は イギリス経営者団体「イギリス産業連盟」が発表したものです。イギリス産業連盟は、2020年までにイギリスは1000億ポンド(約16兆円)の経済損失を被ると分析結果を示しました。これは、イギリスのGDP=国内総生産の5%に相当します。雇用の喪失も95万人に上り、失業率もEUに残留した場合と比べて2~3%上昇するということです。

また、離脱することにより、欧州では投資家や消費者の心理悪化に伴い、市場の不透明感は高まり、支出意欲は冷え込むとなることが予測されています。おびえる投資家がイギリスや欧州市場から退出し、安全資産を求めアメリカに向かう中、イギリス ポンドとユーロが下げ、ドルが急伸すれば、アメリカの輸出はさらに圧迫されることも予測されています。

イギリスのEU離脱がEUに影響を与えることは明らかです。一部のアナリストは、ブレグジットによって、イギリスは現在よりよいかどうかが不明な新しい時代に入りますが、第2次世界大戦以来実施してきた強固な体制構築に取り組んできたEUの後退の一歩をとなることでしょう。

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