インド、中東地域で威信を強化


インドのプラナブ・ムカルジー大統領はヨルダン、パレスチナ、イスラエルの3カ国への歴訪を行っています。インド大統領がこの3カ国を訪問するのは今回が初めてで、インドが世界の大国として中東地域で影響力を高めることは狙いです。

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インドのプラナブ・ムカルジー大統領(写真:ndtv.com)

全面協力を強化したい意向

この3カ国は、消費製品や農産物の自給率が低く、輸入に頼っています。これに加え、国民の収入が増えつつあることと、輸入税が低いことは、インドの製品にとって大きなチャンスと見られています。初の訪問先であるヨルダンでは、ムカルジー大統領は同国の国王アブドゥラ2世と会談し、両国の貿易関係をはじめ、二国間関係を促進する具体的な措置について話し合いました。この機に、インドはヨルダンに1億ドル相当の借款を供与すると公約しました。

ヨルダンに続き、10月12日と13日の両日、ムカルジー大統領はパレスチナを訪問し、アッバス議長や、ラーミー首相らと会談・会見しました。これらの席で、ムカルジー大統領は、「インドはパレスチナ国家の樹立を支持している」と強調し、「イスラエルとパレスチナの平和共存を望んでいる」と明らかにしました。

イスラエルとの国防協力

パレスチナに次ぎイスラエルを訪問するムカルジー大統領はイスラエルの指導者と会談し、両国の国防協力を始め、二国間関係の促進を目指します。インドとイ スラエルは国防と安全保障分野において緊密な関係を持っています。この関係は、「テロとの戦いの新しい軸」と呼ばれています。

インドは、イスラエルにとってアジアで第2の貿易相手国であり、イスラエルの武器を最も輸入する国でもあります。また、両国間の共同軍事演習を含む国防協力メカニズムも設置されました。インド大統領のイスラエル訪問の前に、インドは、「自国の特殊部隊はイスラエル軍と初の軍事演習を行う」と明らかにしました。

また、ムカルジー大統領のイスラエル訪問を機に、両国は、イスラエル製の攻撃能力を持つ無人機の販売契約を結ぶ予定です。この契約の総額は4億ドルにのぼります。これは両国の国防協力が一段と発展していることを示しています。

ムカルジー大統領の中東地域歴訪は、インドが大国として全世界で威信を高めている背景の中で行なわれています。今回の訪問は、21世紀の新しい大国の誕生につながると見られています。


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