(VOVWORLD) - 15日、フランスでは、全国規模の対話が始まりました。これは、国内情勢の安定を取り戻すことを目指すマクロン大統領の構想によるものです。マクロン大統領は、国民の提案・意見は、政府と国会活動の再構築や、欧州を含め国際社会におけるフランスの役割の向上に役立つと期待しています。
マクロン大統領が政府に対する抗議運動「黄色いベスト」運動に対処するため、一大計画を打ち出しました。「この計画は選挙や国民投票ではない」と話しています。
フランスのイメージ悪化
(写真:AP) |
「黄色ベスト」運動は、昨年11月17日にフランスでマクロン大統領の経済政策への抗議行動として発生し、それ以降、フランス全土で毎週土曜日に開催されています。「黄色いベスト運動」は12日も行われ、9週連続となりました。パリでは投石デモ隊に対して治安部隊が大量の水を浴びせるなど一時、騒然としました。
マスメディアによりますと、フランス全土で約8万4000人が参加し、240人以上が一時、拘束されたということです。抗議デモは年末の休暇シーズン中は規模が縮小していましたが、年明けから再び勢いを取り戻し始めています。
抗議者は、「燃料価格の上昇」、「生活費の高騰」、「政府の税制改革の負担が労働者や中産階級に及んでいること」を主張しており、「燃料税の削減」、「富に対する連帯税の再導入」、「最低賃金の引き上げ」、「マクロン大統領の辞任」を要求しています。
事態打開を目指す努力
こうした中、マクロン大統領は13日、フランス国民への「手紙」を発表しました。税金の負担感や使い道に不満が高まっていることについて、「国民の怒りを解決策に変えたい」として、ともに答えを探ろうと呼びかけました。長引くデモの収束をめざし、政府は国民の声を聞く場として対話集会を2カ月かけて開くことを約束しています。
(写真:AFP) |
マクロン氏は、「私は税金が高すぎることや公共サービスが身近にないことなどで不満があることを理解している」と訴え、集会で税制や公共サービスに加え、移民や環境問題など社会問題全般を取り上げる考えを示しました。また、「フランスは社会的不公平にはどの国よりも敏感で、連帯の要請はどこよりも強い」と和解を訴えました。
さらに、以上お話ししましたように、マクロン大統領が政府に対する抗議運動「黄色いベスト」運動に対処するため、一大計画を打ち出し、フランス国民に対し、この計画に関する話し合いに参加するよう求めました。
マクロン大統領によりますと、この計画は25の質問に基づいて提起されるということです。しかし、対話集会について、ジレジョーヌ運動の参加者の一部は「政府が議論の枠組みを決めている」などと反発しています。
アナリストらによりますと、すべての問題に関する国民と政府との協調を達成する可能性は低いですが、対話集会の開催は重要な措置となり、現在の緊張情勢の緩和に役立つと分析しています。