ベトナムとアメリカは1995年7月12日の国交正常化以来、信頼醸成、対立解消に尽力してきました。現在、両国は、政治、外交、貿易、経済、国防安全など多くの分野において協力し合っています。
信頼醸成の努力
それらの成果を収めるために、両国は多大な困難を経なければなりませんでした。先頃ハノイで開催されたベトナムとアメリカとの関係に関するシンポジウムで、在ベトナムアメリカ大使館のピート・ピーターソン元大使は、両国国交正常化以来、アメリカの初代大使を任命された際の困難について次のように明らかにしました。
(テープ)
「当時、私にとって最も困難だったことはベトナムの指導者らに自分には善意あり、信頼にたる人間でありかつ、ベトナム人を尊重し、両国を互いに良好な友人でありたいと渇望していることを分かってもらえるにはどうすれば良いかということでした。というのは、当時、両国には多くの対立が存在していたからです。国交正常化過程における両国関係の改善に寄与してきたことを誇りに思っています。」
ピーターソン元大使は両国の各世代の外交官と共に、両国民族の和解関係に大きく寄与してきました。
多方面での協力
20年前と比べ、現在、両国関係はより多様化されてきました。通商経済協力面では、2001年にBTA=ベトナム・アメリカ二国間通商協定が調印されて以来、両国の貿易取引は低い水準でありながらも、本格的に好転してきました。その2年後、アメリカは、早期にベトナムの第一の輸出先となりました。両国の取引額は2011年の15億ドルから2014年末の200億ドルに増加しました。両国の貿易総額はおよそ350億ドルに達しています。
ワシントンにあるCSIS=戦略国際問題研究所のマレー・ヒーバート氏 は「今後も、ベトナムとアメリカとの経済・通商・投資の協力展望は極めて楽観的なものである」と認定し、次のように語りました。
(テープ)
「現在、ベトナムはアメリカのトップとなる貿易パートナーの一つであり、最大輸出国となっています。今年中に調印される予定のTPP=環太平洋経済連携協定は両国に多くのチャンスを作り出してゆくと確信しています。」
現在、ベトナムとアメリカは平和、安定に向けた共通ビジョンを持っており、これらの問題に尽力しています。両国にとって関係を格上げする時が来たとの意見が相次ぎました。これらについて、在ベトナムアメリカ大使館のテッド・オシウス新大使は次のような見解を明らかにしました。
(テープ)
「私の考えで、最も重要なのは両国関係の名前ではなく、その中身であるということです。ベトナムとアメリカの指導者らは両国関係の発展に期待する一方、両国が互いに協力できる問題の方に注目したいのです。それは、さらなる大きな意義を持つものです。」
両国には政治体制、経済社会の発展レベル、そして過去の問題などに関する対立が残っていますが、それは両国の信頼醸成を阻害する事が出来ません。在アメリカベトナム大使館のグェン・コック・クオン元大使は次のように語りました。
(テープ)
「国と国との関係に対立が存在しないわけではありません。ベトナムとアメリカはその例外ではありません。現在、両国には民主、人権に関する対立が目立っています。この対立の最も効果的な方法は、対話を通じて、相互理解、対立解消を目指すという事です。ベトナムとアメリカは対話の推進に向けて決意を固めています。」
国交正常化20周年を記念することは、ベトナムとアメリカが過去を閉じ、未来に向かうと共に、両国関係をより実質的かつ効果的にするチャンスとなることでしょう。