9月15日、ベトナムで行われたズン首相とムカルジ大統領の会見
27日、インドのモディ首相の招きに応え、グエン・タン・ズン首相夫妻はインド公式訪問を開始しました。この訪問は経済を中心とする両国の戦略的パートナー関係の強化と他の分野への協力関係の拡大、また共に関心を持つ地域と国際問題の協議が狙いです。
2007年、グエン・タン・ズン首相のインド訪問を機に両国の戦略的パートナー関係が構築され、政治、経済、国防・安全保障、科学技術、及び文化・教育は5つの柱と定められました。戦略的パートナー関係を効果的に発展させるため、双方は各レベルの訪問団の交換や研究分野での協力の促進などに取り組んできました。ズン首相による今回のインド訪問はあらゆる分野における協力関係の強化に良いチャンスを作り出すものとみられます。
経済貿易協力を潜在力に見合うものに
専門家や外交官らによりますと、両国の良好な政治・外交関係を基盤に経済協力関係も順調に発展しており、この5年間、商取引額は年平均16%増となっています。しかし、この数字は両国の潜在力に見合うものではないとしています。ベトナム・インド友好協会のブ・クアン・ジエム副会長は次のように語りました。
(テープ)
「この数年、両国の経済、貿易、文化、観光分野での協力は迅速に発展してきましたが、両国の潜在力と願望に見合っていないと思います。また、この数字はインドの貿易総額のおよそ0.33%、ベトナムの1.25%にとどまっています。ベトナムの輸入超過額は高く、インドは対ベトナム投資を行っている88の国と地域の中で32位にあります。一方で、観光分野での協力は進んでおらず、直行便はありません。しかし、両国の決意と努力により、両国関係はさらに発展すると確信します。」
一方、在ベトナムインド大使館のラジット・ラエ元大使はベトナムとインドは政治と国防・安全保障分野で緊密な関係を設立したが、経済、貿易分野での関係を促進する必要があるとの見解を示し、次のように語りました。
(テープ) Rae
「在ベトナムインド大使館と商務部の重要な任務は両国企業を連携させることです。ベトナムでの投資チャンスを探るため、進出するインド企業を歓迎しています。インドの企業経営者のベトナム訪問や企業間の交流は相互理解の強化に寄与すると思います。これにより、発展の方向を見出すことでしょう。」
戦略的パートナー関係の深化
ベトナムは常にインドとの友好と戦略的パートナー関係を優先課題に位置づけています。一方、インド政府はベトナムを東方政策の柱として見なしており、ベトナムとの友好と全面的な協力関係の発展はインドの各政党の重要な政策となっています。両国の指導者や各省庁、国民はベトナムとインドとの関係は特別な関係であり、単に政治・経済分野での利益を基礎とするものであるだけでなく、従来から維持されている友好関係でもあると強調しました。ベトナム外交学院のダン・ディン・クイ院長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムとインドは終始一貫した友人であり、信頼にたるパートナーでもあります。両国関係は大きく発展しており、両国国民に切実な利益をもたらしてきました。また、この関係は地域の平和、安定、繁栄にも大きく貢献しています。」
地域と世界で様々な試練が浮上している現在、両国は良好な友好関係の維持と戦略的パートナー関係の深化の重要性をよく認識しています。経済の傍ら、国防・安全保障分野での協力は戦略的パートナー関係の重要な柱となりつつあります。また、両国は地域と国際場裏で常に協調しあい、支持し合っています。
インドのムカルジ大統領によるベトナム訪問から わずか1ヶ月後、行われたグエン・タン・ズン首相によるインド訪問は両国の政治的信頼を強調した上で、今後の双方関係の発展に原動力をかけることでしょう。