ベトナムとクウェートとの関係


既にお伝えしましたように、ベトナムのグェン・スアン・フック首相の招きに応じて、クウェートのシェイク・ジャービル・アル・ムバーラク・アル・ハマド・アル・サバーハ首相が5日から、7日までの日程で、ベトナム公式訪問を開始しました。この訪問は、貿易、石油ガス開発、労働、農業、観光などの分野での両国間の協力関係強化を目指すものです。

ベトナムとクウェートは1976年1月10日に外交関係を樹立しました。1993年6月、ベトナムはクウェートで貿易代表事務所を開設し、そして、2003年10月、在クウェートベトナム大使館が開設されました。  一方、2007年8月、ハノイにクウェート大使館が、そして、同年9月、ホーチミン市にクウェート総領事館が開設されました。


効果的協力関係

ベトナムとクウェートは類似点が多くあり、この数十年間互いに支援しあってきました。ベトナム戦争時代に、ベトナムはクウェートの政府と国民の貴重な支援を受けました。近年、両国の指導者らは相互訪問を頻繁に行っています。中でも、2007年5月に行われたクウェート首相のベトナム訪問、および、2009年3月に行われたベトナム首相のクウェート訪問は両国関係に新しい発展段階に押し上げたものと見られました。

経済関係に関し、両国は経済科学技術協力に関する枠組協定、貿易協定、航空運輸協定、両国外務省の協力に関する議定書、二重課税防止協定などを締結しました。2016年2月、クウェート政府はベトナムの市場経済体制を認定しました。

また、両国の企業は石油ガス分野で協力を積極的に進めています。クウェートや、日本、ベトナムの企業の100億ドル相当の投資で2013年10月に起工された中部タインホア省ギーソン地方での製油所建設プロジェクトはその証です。

通商分野では、クウェートへのベトナムの輸出額は年々増加しており、特に2015年は20%に達しました。ベトナムのクウェートへの輸出品目は繊維製品、履物、水産物、木工製品、コンピューター、電気製品、野菜、果物、こしょう、コーヒー、お茶などです。

一方、クウェートからは、ガソリン、化学物質、肥料、皮革用の原材料を輸入しています。両国の関係は、労働や教育、観光などの分野にも広がっています。1996年から、ベトナムは労働者をクウェートに送り出しており、現在、約600人のベトナム人がクウェートで働いています。教育分野では、クウェート政府は毎年、石油技術とアラブ語を勉強しようとするベトナム人学生に奨学金を与えており、現在、クウェートで留学しているベトナム人学生は16人です。

観光分野では、ベトナムは多くのクウェート人にとって魅力的な観光地となっています。それに対し、、クウェートは、ベトナム人がクウェートの国際空港で入国ビザを取得できるようになったなどベトナム人を対象に入国規制を緩和しています。

今回のジャービル首相のベトナム訪問は貿易、石油ガス、労働、農業、観光などの分野における両国間の友好協力関係を促進する為のものです。この訪問にあたり、双方は共に関心をもっている地域と国際問題について意見交換を行ないます。


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