フック主席夫妻（Thống Nhất/TTXVN）

タイのプラユット・チャンオチャ首相の招きに応じて、ベトナムのグエン・スアン・フック国家主席夫妻は、11月16日から19日にかけて、タイを公式訪問し、第29回APECアジア太平洋経済協力首脳会議に参加しています。この訪問は、経済、貿易、投資、観光などの分野におけるベトナムとタイとの特別で包括的な協力関係を促進するとされています。また、第29回APECに出席することで、ベトナムは、他のAPECメンバーとともにダイナミックで強靭かつ平和なアジア太平洋共同体の構築に貢献します。

フック主席のタイ訪問は、ベトナム共産党の第13回党大会後に、ベトナムの主要指導者による初の訪問となっています。また、フック主席は、第29回APEC首脳会議に向けてタイを公式訪問する最初の外国指導者ともなっています。

両国関係に歴史的な訪問

フック主席によるタイ公式訪問は、両国が2023年に戦略的パートナーシップ樹立10周年を迎える背景の中で行われるものです。この訪問は、タイとの戦略的パートナーシップのさらなる深化というベトナムの決意を改めて強調しています。

ベトナムとタイは、1976年8月6日に外交関係を樹立しました。以降、両国間の関係は多くの分野、特に経済において良好に発展しています。双方の2021年の貿易総額は、188億ドルに達し、過去最高となっています。また、2022年初頭からの9か月間の貿易総額は昨年同期と比べ17.2％増にあたる161億ドルに達しています。ASEAN=東南アジア諸国連合加盟諸国の中で、タイは、ベトナムの最大の貿易相手国である一方、ベトナムはタイの第2位の貿易相手国となっています。現在、ベトナムの18の省・市はタイの地方と協力合意書を締結しています。

タイン大使

タイ駐在ベトナム大使館のファン・チ・タイン大使は、今回の訪問にあたり、両国の指導者は、2025年までに貿易総額を250億ドルにする目標を目指して、経済協力について討議すると明らかにしました。タイン大使は次のように語りました。

（テープ）

「両国の指導者は、協力関係の深化、とりわけ経済連携に関する措置を討議します。経済連携は、サプライチェーン、生産施設、グリーン成長戦略という3つの事項において実施されます。この機に、フック主席は、2022年～2027年期のベトナムとタイの戦略的パートナーシップを展開する行動計画の調印式に立ち会います」

APECの責任ある一員である

タイ公式訪問後に、フック主席は、第29回APEC首脳会議に参列します。ベトナムの代表団は、関連会議に積極的かつ主体的に参加し、対話、団結、および多国間主義の精神を示す方針です。

APECに加盟してから24年の間に、ベトナムは域内の平和、安定、協力、経済連携に主体的かつ積極的に貢献してきました。この間に、ベトナムは、2006年と2017年の2回にわたってAPEC議長国を務め、複数の構想や、プロジェクトを提案しました。

第29回APEC議長国であるタイは、第29回APECのテーマを「オープン・コネクト・バランス」と提唱しました。ベトナムは、「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」を実施するための「アオテアロア行動計画」の遂行に積極的な役割を果たしています。

タニー・サングラット報道官

タイ外務省のタニー・サングラット報道官は次のように評価しています。

（テープ）

「全体的に見て、APECにおけるベトナムの役割は重要なメンバー、および重要な経済パートナーです。以前、ベトナムはAPEC議長国を務めていました。タイとベトナム、およびAPECメンバーは緊密に連携し、持続可能な経済開発を推進していきます」

フック主席によるタイ公式訪問と第29回APEC首脳会議への出席は、ベトナムの主要指導者による2022年の重要な対外活動となっています。この機に、ベトナムは、地域と世界に向けて団結、平和、ともに発展というメッセージを伝えることになります。