欧州を歴訪中のベトナムのグェン・タン・ズン首相はフランシスコ法王の招きに応じて、18日からバチカン市国の公式訪問を開始します。ズン首相の今回の訪問はベトナムとバチカンとの関係の発展に重要な基礎を作り出すとされています。
今回のバチカン市国の訪問にあたり、ズン首相はフランシスコ法王と会見を行い、双方間の関係発展措置を協議する他、共に関心を持っている国際問題について意見を交換します。
対話はベトナムとバチカン市国との関係発展の基礎となる
1990年以来、ベトナムとバチカン市国との対話は双方間の関係発展に重要な役割を担っていました。相互尊重を基礎とする対話を通じて、双方間の相互理解が深められ、双方間の関係発展に寄与してきました。
ベトナムとバチカン市国との関係における重要な節目の一つは2007年1月にバチカン市国でグェン・タン・ズン首相と当時のローマのベネディクト法王16世との会見です。会見で、ズン首相は「ベトナム政府は常にバチカン市国との関係を重視している。ベトナム政府は相互尊重、内政不干渉という双方が達成した合意を基礎に、バチカン市国との直接対話継続を主張している。バチカン市国がベトナムのカトリック教徒に対し、祖国ベトナムの建設発展事業に力を入れるよう働きかけるよう期待する」と明にしました。
その後、2009年12月、当時のベトナムのグェン・ミン・チェット国家主席はバチカン市国でローマのベネディクト法王16世と会見を行いました。グェン・ミン・チェット国家主席によるバチカン市国の訪問は双方間の関係発展に歴史的な意義があるとされていました。この機に、バチカン市国は新聞コミュニケを発表し、その中で、「バチカン市国はこの訪問に満足している。これはベトナムとバチカン市国との関係発展に重要な意義を持っている」と強調しました。
双方間の関係発展体制づくり
グェン・ミン・チェット元国家主席のバチカン市国の訪問の後、双方は関係促進のため、それぞれの国が共同専門家グループの結成で一致しました。それ以来、毎年、双方は常時交渉を行い、ベトナムでのカトリック教に関する多くの問題が討議されました。また、ベトナムとバチカン市国は常に訪問団を互いに派遣しました。これを通じて、バチカン市国はベトナムのカトリック協会、ベトナム国土と人々、ベトナムの歴史や文化を深く理解できるようになりました。
宗教の自由に関するベトナムの終始一貫した政策
これまでに、ベトナムは常に国民の宗教・信仰の自由を尊重してきました。バチカン市国はこの20年間行われてきたベトナム訪問を通して、その宗教の自由政策を検証しました。去る9月行われたベトナムとバチカン市国の合同作業グループの第5回会合で、バチカン市国のアントワン・カミレリ国務次官補は「バチカン市国の代表団はベトナム人の親しみやすさを実感した他、ベトナムでの良好な宗教生活を目にすることができた」と強調しました。
このように、グェン・タン・ズン首相の今回のバチカン市国の訪問は双方間の関係強化、および、600万人のベトナム人のカトリック教徒に適切な利益をもたらすだけでなく、地域と世界の平和、安定にも寄与することでしょう。