(VOVWORLD) -15日、アメリカ国務省は世界の信教の自由に関する2016年版報告書を発表し、その中で、ベトナム政府は各宗教の活動を制限していると伝えていました。
これはベトナムの信仰・宗教の実状を客観的に反映するものではありません。
これを受け、ベトナム外務省報道官は声明を出し、アメリカ国務省の信教報告書に反対するとともに、市民の信仰・宗教の自由権を尊重し、確保するというベトナムの一貫した政策を強調しました。
市民、信教の自由権を十分に享受
べトナムでは38の宗教組織が活動を行っており、聖職者が8万人、信者が2400万人を超えています。また、宗教施設およそ2万6千ヵ所が存在しています。ベトナム人口のおよそ95%は宗教を持ち、年平均8500万の宗教行事が行われます。1946年、1959年、1980年、1992年、そして、2013年憲法はいずれも市民の信仰・宗教の自由権が確保されると強調しました。特に、2013年憲法には信教の自由権が人権と結び付けられることから良好に確保されています。
2013年憲法を法制化するため、2016年、国会は信仰宗教法を可決しました。信教の自由権はベトナム国民だけでなく、あらゆる人の権利であると定められました。ベトナム在住外国人の信教の自由権も保障されています。2016年の信仰宗教法には「ベトナムに在住している外国人は尊重され、信教の自由権が確保される。信仰・宗教の理由による差別待遇が禁止されます。また、人々に対して、宗教を信仰させる、又は信仰させないことを強制してはいけません」と明記されています。信教の自由権に関するベトナムの規定は国際法に合致するものです。
法律に従って信仰活動を行う
どの国でも敵対勢力は宗教的活動を国家の管理から除外しようとしています。ベトナムで、信教の自由権を盾にベトナム国家を破壊しようとする分子が存在しています。これらの分子は各宗教の信者の生活や宗教活動、土地の立ち退き、宗教施設の改修などで発生する問題を利用して、市民に対し、社会秩序を乱すよう唆しました。強調すべきことはベトナムをはじめ、いかなる国家でも宗教活動は法律に則って行わなければならないということです。宗教を信仰する、しない市民を問わず、法律に違反した場合、法律に従って処するとしています。これまで、ベトナムは敵対勢力や信教の自由権を利用して、国家の安全保障と社会秩序を破壊しようとする分子と断固として戦ってきました。
ベトナム・アメリカ関係に逆行
ベトナムを含め、世界各国の信教の自由に関する報告書は冷戦時代からアメリカ国務省により作成されたものです。当時、ベトナムとアメリカは対立関係にありました。現在、両国は全面的パートナー関係を確立し、国連憲章と互いの政治体制を尊重するという原則で一致しました。
アメリカ国務省の世界各国の信教の自由に関する報告書2016年版はベトナムの宗教状況に関し、調整があったものの、ベトナムの実状を正しく反映していません。これは両国の全面的パートナー関係に逆行するだけなく、両国国民の感情にも傷つけ、発展の方向を辿っている協力関係にも支障を来たすでしょう。