(VOVWORLD) - ベトナムとアメリカは戦争後遺症克服に協力することを通じて、相互信頼を醸成させてゆき、両国のより明るい未来を迎えています。
ベトナム戦争が終結してから44年経ちましたが、戦争後遺症はまだ残っています。そのため、ベトナムとアメリカは戦争後遺症の克服を優先しています。これらは地雷・不発弾の除去や、戦争中の行方不明者の捜索、身体障がい者への支援などですが、その中で、最優先課題は、枯葉剤の除去作業です。
枯葉剤の被害を受けた子どもを訪れているリーヒ米上院議員 |
共に試練を乗り越える
実際、ベトナムとアメリカは長年、戦争後遺症の克服に取り組んでいますが、地雷・不発弾の除去、戦争中の行方不明者の捜索、身体障がい者の生活改善などに集中していました。一方、戦争中アメリカ軍が使用していたいくつかの空港には、枯葉剤の主要な成分であるダイオキシンが大量に残っていましたが、アメリカ政府のかつての政策のせいで、ダイオキシン除去は長年行き詰まっていました。
しかし、ベトナム側の努力と、ベトナム好きの多くのアメリカ人の大きな支援により、アメリカ政府は政策を変えて、ベトナムの各空港にあるダイオキシンの消毒を補助することにしました。アメリカ政府の政策変更に大きく働きかけたアメリカ民主党のパトリック・リーヒ上院議員は次のように語りました。
(テープ)
「私は、アメリカの二大政党の上院議員に政府のこの政策の変更を働きかけてきました。将来、私が上院議員を辞めても、ほかの上院議員が、意義の大きいこの事業を進め続けるでしょう。」
2012年8月に、両国の国防省は、ベトナム中部にあるダナン空港でダイオキシン消毒プロジェクトを始めました。2016年末に終わったこのプロジェクトは、ダイオキシンに汚染された9万立方メートル以上の土地を消毒しました。ダナン空港でのダイオキシン消毒は、戦争後遺症克服における両国の協力のモデルとなっています。
ビエンホア空港でのダイオキシン除去プロジェクトの発動式 |
未来を志向
ベトナムとアメリカは、ダナン空港での成功を発揮して南部ドンナイ省にあるビエンホア空港でダイオキシン除去プロジェクトを展開しています。ビエンホア空港は元々、アメリカ軍が枯葉剤を保管した最大のところで、現在も約50万立方メートルの土地がダイオキシンに汚染されています。ビエンホア空港でのダイオキシン除去は10年かかり、その費用は3億9千万ドルにのぼるとされています。これは、両国の戦争後遺症克服において大きな前進であると評されています。
4月20日、ビエンホア空港でのダイオキシン消毒プロジェクトの発動式典が行われました。式典には、パトリック・リーヒ上院議員をはじめ、ほかの8人の上院議員も出席しました。彼らは長年、アメリカの関連各機関にこのプロジェクトの承認を働きかけていました。ベトナム国防省のグエン・チ・ビン次官は次のように語りました。
(テープ)
「私はパトリック・リーヒ上院議員の貢献を高く評価しています。リーヒ氏のほか、今日の式典に出席してくれた8人に上院議員も大きく貢献しました。彼らの発言はアメリカ政界で重視されていますので、彼らが同じ意見を出すことはアメリカ国会などに大きな影響を与えると思います。そのため、これからも、両国の戦争後遺症克服事業はさらに促進されるでしょう。」
ベトナムとアメリカは戦争後遺症克服に協力することを通じて、相互信頼を醸成させてゆき、両国のより明るい未来を迎えています。