ベトナム、地雷・不発弾による被害を克服するための国際協力を強化

(VOVWORLD) - 今もなお、ベトナムでは、戦後の地雷・不発弾が人々の生活や、国の持続可能な開発事業を脅かしています。この数年間、ベトナムは地雷・不発弾による被害を克服するため、国際協力を強化し、情報を共有し、先進技術を導入するなど、様々な措置をとっています。

ベトナムでは全国の総面積の5分の1に当たる560万ヘクタールは戦後も地雷・不発弾が残されています。現在、60万トンないし80万トンの地雷・不発弾が地下にねむっていると概算されています。3月29日、ハノイで、ベトナム外務省とKOICA=韓国国際協力団、UNDPベトナム事務所の共催により、「平和と持続可能な開発のための戦争後の地雷・不発弾の被害克服、関連分野における地域と国際的知見の共有」シンポジウムが開催されました。

ベトナム、地雷・不発弾による被害を克服するための国際協力を強化 - ảnh 1ド・フン・ベト外務次官=Quang Hòa/baoquocte.vn

この席で発言に立ったド・フン・ベト外務次官は、「戦後の地雷・不発弾の被害克服は持続可能な開発目標の現実化において欠かせない任務の1つである」と強調するとともに、「KOIKAとUNDPは戦後の地雷・不発弾の被害克服で、ベトナム政府と協力している。

この3年間、その協力プロジェクトの枠内で、地雷・不発弾汚染状況の調査が行われた面積は1万7000ヘクタール、そして、地雷・不発弾が除去された面積は1万ヘクタールに達しているほか、各地方の45万人の住民は地雷・不発弾に関する教育を受けてきた」と明らかにしました。

2010~2020年期における地雷・不発弾による被害克服国家行動プログラムの枠内で、ベトナムは50億ドル相当の資金を集め、地雷・不発弾の除去を進めました。その結果、地雷・不発弾が除去された累計面積は50万ヘクタールに達しているということです。2013年、ベトナムとアメリカは戦後の地雷・不発弾の被害克服協力に関する覚書を締結しました。それ以来、アメリカ側は様々な措置を取り、地雷・不発弾の被害を克服するためにベトナムを支援してきました。

ベトナム、地雷・不発弾による被害を克服するための国際協力を強化 - ảnh 2ホアン・スアン・チェン国防次官=dangcongsan.vn

アメリカのマーク・ナッパーベトナム大使との会見で、ベトナム戦争後の地雷・不発弾と枯葉剤被害克服指導委員会(いわゆる、701号指導委員会)委員長のホアン・スアン・チェン国防次官はアメリカに対し、2023年から2028年まで地雷・不発弾が残された土地の面積35万ヘクタールの除去を完了する目標の遂行のため、ベトナムのパートナー、およびベトナムで活動を行っている国際組織に支援するよう希望を表明しました。

一方、マーク・ナッパー大使は「両国が戦争後の地雷・不発弾の除去に関する覚書に署名した2013年以来、アメリカはベトナムでの地雷・不発弾の除去への支援を強化してきた。この10年で、ベトナムは50万ヘクタールもの土地で地雷・不発弾の除去を行ってきた」と強調しました。

ベトナムは自国の地雷・不発弾を含め戦争後遺症の克服に努力するだけでなく、国際社会の責任ある一員として、この問題を解決するための国際的な取組にも積極的に参加しています。今後も、戦争後遺症、なかでも地雷・不発弾の対策で、国際協力、各国、国際組織との連携を拡大する方針を打ち出しています。

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