(VOVWORLD) -ベトナム科学技術アカデミー所属ベトナム宇宙センターは衛星と宇宙技術の研究、開発、応用とその人材の育成に先頭に立っています。
「マイクロドラゴン」の打ち上げ
(写真:TTXVN)
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このセンターは今年1月18日に打ち上げられたベトナム製の人工衛星「マイクロドラゴン(Micro Dragon)」を研究、開発した施設でもあります。
重さ50kgの超小型衛星「マイクロドラゴン」は 縦・横・高さがいずれも50cm立方体で、日本人教授の指導を受けながらベトナム人技術者らが設計・製造しました。マイクロドラゴンは海域観測衛星で、水質の評価や水産資源の位置の特定、海域で生じる現象の観察などを行って水産業の発展に資することを目的としています。
この衛星の開発、製造はベトナム宇宙センターが実施している「地球観測衛星による自然災害防止と気候変動対応」というプロジェクトの一環です。日本のODA=政府開発援助とベトナム政府の出資によるものです。人工衛星「マイクロドラゴン」の研究、製造に直接に参加したベトナム宇宙センター総合管理室の専門家ゴ・ティ・ホアイさんは次のように語りました。
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「元々、衛星分野に携わっていない私は日本に留学しながら、仕事をしていますが、当初、どこから始めるかよくわかりませんでした。私は専門的資料をたくさん研究し、多くの困難を乗り越えて、衛星開発に成功しました」
一方、ベトナム宇宙センター空間システム設計室の専門家ゴ・タイン・コンさんは「ベトナムが超小型衛星を試験的に製造しましたが、その衛星が打ち上げられ、地上ステーションに映像を送った瞬間にすべての研究者は感無量でした。」と述べ、次のように語りました。
(テープ)
「宇宙に打ち上げられた衛星からの信号を待つのはすごくドキドキしました。しかし、その信号と映像を受けた時刻は本当に幸せでした」
ベトナム宇宙センターは2006年に設立され、衛星を始め、宇宙技術の研究、開発、応用とその人材の育成という任務を担っています。これまで、同センターは宇宙研究を専門的に行っている人材を育成し、ベトナムが製造した衛星を宇宙に打ち上げるプロジェクトを実施しています。
人工衛星「マイクロドラゴン」の打ち上げに成功したことはベトナム人の若い技術者の努力と創造性を示すものです。
ベトナム宇宙センターのレー・スアン・フイ副センター長は「今後各大学と協力して、宇宙技術の研究を続ける」と明らかにし、次のように語りました。
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「現在、ベトナムが製造した衛星は無事に活動を行っています。しかし、ベトナムはその衛星を操作する地上ステーションを建設する費用がまだないため、外国と連携しています。今後、学生たちに対し、宇宙技術に関する見識を普及させてゆきたい」
人工衛星「マイクロドラゴン」の打ち上げに成功したことにより、ベトナムは衛星技術分野において東南アジア地域のトップに立つようになりました。これはベトナムの若い技術者にとって大きな原動力となっています。