ベトナム経済、成長の見込み

20日、WB世界銀行は今年上半期におけるベトナム経済の状況に関する報告を発表しました。報告によりますと、今年上半期のGDP国内総生産の成長率は6.28%で、この5年間で最高となっています。中期的にはベトナム経済は多くの試練に直面しているものの、有望であるとしています。

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WBのベトナム経済に関する報告の公表式(写真:laodong)

ベトナム経済:試練に伴う回復

ベトナム経済の回復を支えているのは、加工産業、製造産業、及び、建設業です。又、小売売上高とサービス業の売上高も急増しています。そして、低インフレが続いている中、ベトナム国家銀行は経済活動を補助するため、金融緩和政策を取っていると共に、為替レートを調整しました。WB世界銀行ベトナム事務所の経済専門家サンディープ・マハジャン博士は次のように語りました。
(テープ)

「銀行再編、特に、銀行の合併買収(M&A)は多くの進展を見せています。大規模銀行による小さい銀行のM&Aは多く実施されました。ベトナムは国営企業の株式化を通じて、国営企業での民間セクターの所有率をさらに高める必要があると思います。」

WBの経済専門家によりますと、ベトナム経済が回復している兆しは明らかであるにもかかわらず、公的債務、国営企業の再編、公共投資は経済成長のボトルネックになる可能性があるとしています。また、輸出の成長減速と輸入の急増により、今年の貿易収支が悪化するだろうとの予測も出されました。世界銀行ベトナム事務所の経済専門家セバスチアン・エッカルド博士は次のように述べました。
(テープ)

「ベトナムは世界と地域で一番高い経済成長率を達成できた国の一つです。このような回復を維持できれば、成長率が6%を超え、インフレもコントロールできるでしょう。しかし、信用膨張が起きている現在、状況を見極める必要があります。公的債務は増えつつありますが、GDPの75%以下に抑えられると思います。そのため、信頼たる長期的な財政健全化計画、及び、国営企業と銀行の金融健全化を目指す措置は、公的債務への圧力削減及び民間セクターの信頼強化に役立つだろうと思います。」

経済成長の展望

世界銀行は、個人消費と企業の投資により、2015年のベトナム経済成長率は6%~6.2%に達する見込みであると予測しています。世界銀行の経済専門家エッカルド博士は、輸出活動の拡大によりベトナム経済がさらに成長する可能性があるとの考えを示しました。2015年、ベトナムは各国と一連の自由貿易協定や経済連携協定を締結することで、外国市場の開拓に弾みをつけられるということです。これにより、ベトナムの輸出総額は毎年20%以上伸びる見通しです。ベトナム商工会議所のヴ・ティエン・ロック会長は次のように語りました。
(テープ)

「ベトナム企業は各協定のメリットを受けるために、協定が発効してからやるわけではなく、直ちに準備してやらなければなりません。準備段階では、まずは情報を集めることです。その後、自分が経営している分野に対する協定のメリットとデメリットを分析した上で、行動計画を作成し、自分の分野に対して関税優遇を取ってくれる市場に集中的に進出した方がいいと思います。」

今回の報告で、世界銀行は、ベトナムの最大貿易相手国であるアメリカや日本の経済に対しても楽観的な見方を示しています。これは、ベトナムの輸出に拍車をかけるもので、ベトナム経済の高い成長率の維持に有利な条件を作り出すと見られています。

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