(VOVWORLD) - EU=欧州連合とベトナムのFTA=自由貿易協定は早ければ2018年初めに本格的に発効させる見通しです。現在はそれぞれが発効に向けた法的整備を行っています。
双方は、2015年12月にこの協定の合意書に署名しました。EUの規定に基づき、こうした自由貿易協定の法的点検は2段階を済ませなければならないとしています。第1段階に欧州議会国際貿易委員会はこの協定の全面的点検を行い、第2段階に欧州議会の批准に提出するということです。欧州議会の大多数の賛成を得れば、2018年夏に批准されます。
基本的な進展
双方は交渉を正式に終結させてから、複数の討論会を行い、困難の解決やFTAの早期発効を目指しています。ベトナム側が実施すべき問題は3つあります。それらは強制労働の廃止に関する条約、結社の自由に関する条約、集団労働に関する条約を含むILO=国際労働機関の3件の条約を批准すること、経済発展に際し環境を保護すること、社会団体、非政府組織に対し、政府に対するFTA実施のアドバイスのチャンスを作り出すことです。
チャン・トゥアン・アイン大臣 |
こうした中、12月1日と2日の両日、行われた商工省のチャン・トゥアン・アイン大臣によるEU諸国の歴訪に際し、双方は残っている問題点の早期解決に向け努力することで一致しました。具体的にはこの協定は貿易と投資・紛争解決といった2つの部分に分けられ、決められた段取りに沿って、貿易に関する内容を早めに批准することが狙いです。投資・紛争解決に関する内容は向こう数年に、批准される見通しです。
EU、ベトナムの努力を評価
アンゲレット大使 (マイクを持つ人) |
EU側はFTAの早期発効に向けてのベトナムの努力を高く評価しています。ベトナム駐在EU代表団団長のブルノ・アンゲレット大使はベトナム政府がベトナム・EU合同委員会に属するベトナム側の各省庁、部門に対し、2018年内、FTAの展開を準備するよう指示したことを歓迎しました。一方、フランス経済財務省・予算総局に属する貿易政策戦略事務所の高級専門家マリエ・クリスチヌ・ポンシン女史は「ベトナムは前向きな経済外交政策を実施しており、ベトナムとEUのFTAは地域と世界経済への全面的参入における前進の一歩となった」との見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム・EUのFTAには投資保護に関するEUの新たなアプローチ方法が明記されました。これは同協定の大きな目的を見せています。韓国と締結した協定やシンガポールとの協定にはありません。」
他方、フランスのアジア研究基金(シンク・タンク基金)のジャン・フランソワ・ジ・メリオ会長は次のように話しました。
(テープ)
「ベトナムは迅速に変貌しています。今後、この協定の発効により、ベトナムはさらなる進歩を遂げるでしょう。この協定が早期に発効することを望んでいます。」
保護主義がエスカレートしている中、FTAの批准・発効は貿易自由化の促進に大きな意義があります。また、このFTAはベトナムとEU諸国に多大な利益をもたらすとともにEUと東南アジア、及びアジア太平洋との緊密な連携に前提を作り出すと期待されています。